経団連の次期会長候補・中西宏明 副会長がSDGsを重要指針に

【ビジネス報道】 経団連(会長:榊原定征)は、平成三十年二月十三日に次期会長候補の日立製作所・中西宏明(丙戌)会長で経団連の副会長と共同の記者会見を行った。経団連の会長の任期は二年で、二期を務める事が慣例となっており、四年振りに交代。五月末の定時総会を経て正式決定する。中西副会長は米「スタンフォード大」のコンピュータ エンジニアリング学の修士だ。


榊原会長(癸未)は現在を安倍政権が掲げるGDP六百兆円に向けて大きくステップ アップする重要な局面として大胆な規制改革、社会保障制度改革と財政改革の加速を政府へ強力に働き掛けていかねばならないとした。重要な時期の会長交代に当たり、中西候補を「人格識見に優れ、卓越した経営手腕、豊富な海外経験を有し、正に名実共に日本を代表する経営者である。」と評した。Society 5.0を提案して国内外で発信し、行動してきた点も挙げた。政策の方向性も一致しており、改革の加速を望んだ。



<榊原ビジョンを継承>

 これに対し、中西副会長は「恐縮すると共に、何とか頑張らなければならないという心境である。」と答え、日本経済を「大きな新しい一歩を踏み出し、経済の新たな循環を回していく重要な時期。」と指し示した。デジタル化の波に対しては、海外との連携関係の構築に力点を置きたい。副会長就任後の三年半の活動には自負がある。榊原ビジョンを肯定し、「自分の色を出す事が目的ではなく、日本経済がしっかり回る事が重要。」と本ビジョンの実現に取組んでいく。


また政財界の対立を忌避したが、時勢の政局や人的関係が両者の関係を左右する点を指摘した。併せて、経団連の政治寄付の呼掛けに反対しない旨を伝えた。現行の政治寄付方針を受け継ぐ。中西副会長は海外のCEOと議論した結果、「企業としての持続可能性を高める為には、企業活動の軸をSDGsに置く必要がある。」と述べた。SDGsは国連の国際目標で、新元号十年迄の十七の持続可能な開発目標を掲げている。中西副会長はSDGsを経団連の重要な行動指針に位置付けたい。


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