北原里英が演じた現実と虚構のアイドル

【芸能報道】 平成三十年二月二十四日に東京・新宿にて、報道現在で公開中の映画『サニー/32/日活』のスペシャル トークイベントが行われた。今春にNGT48とAKB48を卒業する主演の北原里英(辛未)と白石和彌(甲寅)監督が登壇した。


里英が演じたのは二十四歳の誕生日に拉致され、ネットで神格化された“サニー”としてアイドル的存在になっていく主人公・藤井赤理。「撮影が進むにつれて(現実と虚構が)曖昧になっていった。」と振返った。共演者と疑似家族になる点も現実と虚構の境界線が曖昧になった原因だと述懐した。監督は「実際のアイドル活動とシンクロするのは当然、北原さんを主演に迎えるに当たり、そういう風に見えた方が良いと思った。なので事前の準備として、アイドル活動を全力でやってほしいと伝えた。」と、現実と虚構の曖昧が狙いだった。


拉致・監禁後、赤理が覚醒する事で一気に展開が変わる本作。覚醒シーンでは「抱きしめる」行為があるが、監督は「赤理の過去の設定は余り作っていないが、抱きしめられる事がない痛みを知っているという過去を持っているとして、赤理には抱きしめて欲しいと思って。」と裏設定を語った。「抱きしめる」事は、里英にとって「普段NGT48で後輩達と先輩の私という構図なので、抱きしめる事が日常茶飯事。人を殴るよりは抱きしめる方が得意。演じる上では意識はしなかった。」と話した。


本作の魅力の一つは、赤理が被害者・偶像・聖母と立ち位置が展開し続ける点で多面的な物語になっている。「本当の赤理は一体どの瞬間か。」という質問に里英は「抱きしめてる時。」ときっぱり。観客にも同様の質問を問い、均等に手が上がった。「解釈が色々ある映画だと思うので、どれも正解だと思いますね。」と観客に委ねた。最後に里英は「サニーに一番救われたのは私じゃないかなと思います。」と明かし、「観た人の一筋の光になる映画になってくれたら良いですし、非日常を求める方のスパイスになってくれたら良いなと思います。」と締め括った。


画像提供:日活㈱

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