アスキーが角川総研へ移管、ブランド イノベーションを起すか

【ビジネス報道】 KADOKAWA(代取:松原眞樹、井上伸一郎)は、アスキー・メディアワークス事業局の『アスキー事業』を平成三十年四月一日に角川アスキー総合研究所(代取:芳原世幸、福田正)に事業移管する。目的はKADOKAWAの『アスキー事業』と同総研が有すシンクタンク機能のリソース及びノウハウを集約してIT関連メディア事業やマーケティング ソリューション事業、出版事業等を強力に推進する事。移管方法は会社分割。


主な対象事業は、IT関連メディア事業の「週刊アスキー」「ASCII.jp」「ASCII倶楽部」「MITテクノロジーレビュー」、EC事業の「アスキーストア」、マーケティング ソリューション事業の冊子・映像制作やイベント・セミナ等、出版事業の年賀状素材集等。広告営業窓と出版物の発売元は、KADOKAWAのまま。


 PC関連を専門とする「週刊アスキー」は紙媒体を止め、完全電子版へ移行してから三年。節目を迎える。媒体資料によれば媒体UUは十万。平均年齢は四十一.四歳。ITビジネス等も含む「ASCII.jp」はトータルUUが六百万。平均年齢は三十八.一歳。YTも運用している。両媒体ともグラビアモデルの取材記事も掲載しており、他社各媒体と比べて写真品質が高い事で有名。


一方の同総研はイベント・セミナ・スクールやリサーチ・マーケティングに加えて、ソーシャルメディア広告、人材派遣、映像制作・配信等も行う。同総研に「週刊アスキー」等が移管する。媒体としての力はアナログ的基盤からデジタル的基盤に昇華しそうだ。


また、同総研の芳原代取はKADOKAWAの取締役も務めている為、本体との連結性は落ちない。同総研の取締役には角川系の大本である持株会社カドカワ(9468.T1)の川上量生 代取、角川歴彦 会長、佐藤辰男 取締役の三名が並ぶ。角川系にとって如何に重要な企業かが分かる。今回の移管によって、アスキーブランドは新たな領域へ変質しそうだ。


画像提供:㈱KADOKAWA

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