【政治・経済・ビジネス報道】 岸田総理(丁酉)は、令和四年十月三日に第二一〇回「国会(臨時会)」にて『所信表明演説』を行った。本臨時会は、十二月十日までの六十九日間を予定。
新たな経済対策を今月中に取り纏め、本臨時会へ『補正予算』を提出する予定。若者・若手への財政出動(国債発行)につき、岸田内閣の腕力が試される。
以下が経済政策の重点分野。
- 物価高・円安対応
- 構造的な賃上げ
- 成長の為の投資と改革
<鍵はフリーランスとスタートアップ>
以下が一。
- 「電力料金」;前例の無い対策として、家計・企業の負担の増加を直接的に緩和。エネ安定供給の確保や再エネ・省エネの推進、農産物の国内生産を通じた食料安保の確保等へも取り組む
- 「円安」;対応しながら、円安のメリットを最大限引き出し、国民に還元する政策対応
- 「インバウンド観光(ビザ無し渡航や個人旅行再開等)」;十一日から復活。訪日外国人の旅行消費額の五兆円超/年の達成を目指す。全国旅行支援やイベント支援も再開
- その他;半導体や蓄電池の工場立地、企業の国内回帰、農林水産物の輸出拡大等
二では、大きな賃上げが実現しない理由を述べた。「高いスキルの人材を惹き付け、企業の生産性を向上させ、更なる賃上げを生むという好循環が機能していないという、構造的な問題があります。」と。
「賃上げ」「労働移動の円滑化」「人への投資」の三課題の一体的改革を進める。先月のNY証取にて行ったスピーチに一致(最下部参照)。以下が二。
- 「公的価格」;民間給与の伸びを踏まえた改善等を図り、現場で働く者の処遇改善や業務の効率化、負担軽減を進める
- 「リスキリング(リカレント教育、一兆円/五年)」;支援策の整備や「職務給」への移行等の労働移動円滑化に向けた指針を、来年六月までに取り纏める
- 「同一労働同一賃金」;遵守を一層徹底
- 「フリーランス」;安定的に働ける環境を作るべく、法整備(『フリーランス新法』)
- 「中小企業」;公取委等の執行体制を強化し、価格転嫁
三は、従来からの「科学技術イノベ・スタートアップ・GX・DX」に重点。
- 「科学技術イノベ」;量子・AI・バイオ等の分野において、官民の投資をこれまで以上に進めていく為の方策を早急に具体化。成長分野への大学等の学部再編促進や若手研究者の育成に向けた支援強化、処遇見直しを通じた教職員の質の向上にも取り組む
- 「スタートアップ」;本年をスタートアップ元年とし、スタートアップ五年十倍増を視野に、五ヶ年計画の策定に取り組んでいる。公共調達における優遇制度の抜本拡充、税制上の優遇措置や資金面の支援に加え、若く優れたIT分野の才能の発掘・育成、日本と海外のスタートアップ・エコシステムの接続等
- GX;年末に向け、GX推進の為のロードマップの検討を加速。
- DX;D構想「デジタル田園都市国家構想」。マイナンバカードと健康保険証との一体化。メタバース・NFTを活用した「Web3」の利用拡大に向けた取組み。半導体は、十兆円増/十年が必要とも言われるこの分野に、官民の投資を集めていく(日米共同での次世代半導体の技術開発・量産化や、Beyond5Gの研究開発等。アナログ的規制の一掃/二年)
結びに岸田総理は「若者、お年寄り、男性も女性も多くの皆様の力を結集し、胎動し始めた新しい動きを、大きな流れにして、この国の未来を切り拓いていきたいと思います。」と熱を込めた。
写真:総理大臣官邸
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