【教育考察】 令和四年十月十三日に元・小学教諭の西岡正樹(写真上)が記事『「なぜ子どもたちは年々幼くなっているのか?」学校現場の戸惑いと社会の幼稚化/ベストセラーズ』を寄稿した。元教諭は、二十四年間も茅ヶ崎市内の小学校に勤務していた。
他にも「学校現場を破壊し続ける文科省の無知蒙昧『受講拒否に職務命令 教員研修、新制度の指針案』に唖然」等にて教育界へ疑義を呈している。
今回の記事では、その理由を“共同体感覚”と訝(イブカ)しむ。
共同体感覚が薄れてきている事と、日本人(子どもから大人まで)が「幼く(幼稚に)なっている」事は切り離せないものなのではないか
<共同体感覚>
新年度の際に、元教諭は低学年の児童に対し、必ず「幼稚とは何かな?」という話をしていた。児童達へ幼稚でいたいか否かを問い、児童達の幼稚拒否を確認。すると、「この三つができない人は、とても幼稚な人だと思うよ。」と幼稚の三条件を指し示す。
- 幼稚な人は、話が聞けないんだよ
- 幼稚な人は、今何をやっているか分からないんだ
- 幼稚な人は、皆でできないんだよ
この三条件を元教諭は、共同体感覚とした。
さて、大人に置き換えよう
- 幼稚な大人は、人の話(注意や警告を含む)を黙って、集中して聞けないんだよ
- 幼稚な大人は、今、世の中で何をやっているか(何を優先しなければならないか)を分からないんだ
- 幼稚な大人は、皆で協力して何かをやる事をできないんだよ
これは全世代的に言える事だろう。但し、大人とは年功序列の要素を含んでいる為、「若者・若手>中堅>シニア」の順で、三条件に適合する人の割合が少なくなる必要性が社会にはある。幼稚なシニアが最多の社会は最悪だろう。
ここで言う幼稚とは、正に“精神年齢”の高さである。当該記事では、小学教諭達が年々、児童生徒の未熟度合いを痛感している事を伝えている。
<保護者の精神年齢>
教育とは当たり前だが、人を正しき人間とする為に成熟させる事である。故に、大学・大学院を出て終わりではない。生涯、自分自身を磨き、成熟させていくもの。精神年齢を高め、正義を貫く人間へと向かうもの。
詰まり、児童生徒の未熟度合いを教諭達が痛感するのであれば、それは保護者の精神年齢が低くなっている事を意味する。それを元教諭は、共同体感覚とした。
保護者ができない事、やらない事を子である児童生徒はできない、やらない。保護者の普段の生活を観察しながら、子である児童生徒はコピーし続けるもの。
これは日本社会の二極化に他ならない。ハイムを読むユーザは、情報リテラシの観点よりエリートである。エリート家庭の子は、未熟を維持するのではなく、親と共に成熟を目指す。
二十五歳以下『ラガード』が四割強の絶望
若き法学・脱ゆとり両世代への調査「日本のZ世代意識調査:SNSのイメージや消費感度編/ネオマーケティング」にて、両世代は「イノベータ理論」の中で最も遅いとされる『ラガード』の割合を四割強とした。尋常ではない多さである。
はっきり言えば、若者は幼稚化を超えて「バカ化」している。精神年齢が低過ぎる。彼らを育てたのは大半が、氷河期・バブル両世代。よって“親ガチャ”と揶揄される。これは端的に親がエリートかバカだ、と言っているに等しい。バカでは表記が強いので、“パカ”とす。
併しながら、上図では『イノベータ』と『アーリーアダプタ』が微増しており、成熟を目指す若者=エリート家庭の存在が分かる。彼らを育てたは氷河期・バブル両世代の内、二割=エリート家庭。
<超二極化>
この二つの家庭、エリート家庭とパカ家庭で育った若者達は、人生百年時代に如何様に成り得るだろうか。社会に出て、二極化した家庭環境のギャップを克服できるだろうか?ラガードに育った若者は、イノベータやアーリーアダプタに育った若者に追い付けるだろうか?
答えは、経営学の通りに明白である。
「追い付けない」ではなく、そもそも「追わない」が答えだ。上図であれば、現在の若者の四割強が今後も「追わない」「動かない」「(人生の価値を高める為に)何もしない」。
アーリーマジョリティと共に
これは親の自由、子の自由なので、エリート家庭は気にする事なく邁進し続けよう。エリート家庭が未来の日本で為す事は、可能性ある家庭を導き、教育していく事だ。その際に、彼らの自由を侵害してはならない。パカで居続けたいか、パカから抜け出したいかは、個々の自由である。その経済的責任も彼らが一生負う。
特に、上図の『アーリーマジョリティ』層の家庭(二割)を導き、教育していく。
当然に自己の家庭は、更にストイックに、スパルタに米中と張れる様に鍛え上げていく。以上より格差は、令和時代に於いて更に拡大する。本人達が自由意思で望む結果だ。こればかりは強制してはならないので、仕方ない。
早くからエリート家庭は、しっかりと人生論等を子どもへ教育していこう。
記事:金剛正臣
画像:西岡正樹の記事一覧/㈱ベストセラーズ、㈱ネオマーケティング
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