「脱ゆとり世代」が岸田総理へ金融提言、層別で「異なるアプローチ」を|第一回『資産所得倍増分科会』

【金融報道】 岸田総理(丁酉)は、令和四年十月十七日に総理大臣官邸にて第一回『資産所得倍増分科会』を開催。主にNISA・iDeCoが焦点となった。その中で、学生投資連合「USIC」八田潤一郎 委員は、若年層への『異なるアプローチの必要性』を提示した。

八田委員は、「慶大」法学部の三年生。脱ゆとり世代。


官公庁やシンクタンク等の「若年層の投資」を対象とする定量的な調査は多い為、USICでは、学生の声を取り込んだ定量的な要素を織り込み、定性的な分析を主に行う。スライドは二枚にすっきりと纏めた。



<若者ラガード四割強に一致>

 投資・資産形成や金融教育を進める上で、若年層の意欲や捉え方は異なり、そのアプローチも併せて多様化させる必要がある、と訴えた。「投資・資産形成をする層」と「しない層」の二層・属性だけでなく、より細分化された「グラデーション・属性」があるのではないか?と疑義を呈す。


「グラデーション・属性」は、投資への理解な等、金融教育と連動している可能性大。今回は大枠。属性別の具体的な施策は、学生の声を参考に次の機会までに取り纏める予定。


「セグメント分析/経営学」に近しいアプローチで、「投資意欲」の高低を横軸に三セグメント(三層)に分けた。図内の「大きな壁」は第二「キャズム/同」ではないだろうか(レイトマジョリティとラガードの間)?ともすれば上図より、「イノベータ理論」のイノベータ・アーリーアダプタが青、マジョリティが緑、ラガードが橙と見做せる。


脱ゆとり世代は、ラガードが四割強との調査が出ており、八田委員の体感属性と凡そが一致している(日本のZ世代意識調査:SNSのイメージや消費感度編/ネオマーケティング)。一般的なイノベータ理論とは異なり、先進国が陥っている市場の罠とみられる。



以下が、三セグメントの位置付け。

  1. イノベータ・アーリアダプタ青;少数だが、投資・資産形成の輪を広げる為に重要な層。国際金融都市を目指す上での人材としても重要
  2. マジョリティ緑;環境次第では「長期分散 積立投資」の普及は可能だが、投資の継続性を担保する金融教育が必須。「投信」投資のみならず、日本企業を支える個人投資家層の育成拡大をする事で、日本市場の活性化を期待。
  3. ラガード橙;資産所得倍増に当たって“鍵”となる層。潜在意識を乗り越える(誤解を解く大きな力の)金融教育が最優先


以下が、三セグメントの特徴。

  1. イノベータ・アーリアダプ青;投資を楽しんで行い、学びたい欲が非常に高く、活用するものの、必ずしも制度を最重要視しない。積極的な運用を好み投機的となる事もあるが、経験値が社会人での長期的な投資・資産形成へと活きる事から長期投資とは必ずしも矛盾しない
  2. マジョリティ緑;意義や必要性の理解は進むが、疑問・不安がまだ大きい。それらをサポートできる環境があれば、投資のハードルは然程に高くはなく、制度活用に前向きであり、制度が重要
  3. ラガード橙;若年層においては、親世代の影響や社会の根強い風潮で投資を敬遠するものも多い。制度よりも抜本的な金融教育と社会全体の投資への理解が必要


岸田総理へ直提言した若き八田委員(写真上)、及び彼を招いた岸田総理を称えたい。


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