「ゆとり世代・後期」以下を翻訳するのが役目|Z総研

【ビジネス報道】 令和四年九月八日にオンラインにてN.P.プロモーション(ND、代取:金丸雄一)、オールブルー(AL、代取:助野太祐)とマテリアル(代取:青﨑曹)の三社で構成されたシンクタンク組織「Z総研」がセミナ『次世代リーダーを動かす広告・マーケティングアプローチの為に知っておきたい事』を行った。


同組織は、Z世代を平成七年以降に生まれの若年層とした。下限は不明。政府の定義では「若者」は十八歳~三十四歳まで。ハイムでは根拠に乏しく、「世代間統計」が採れない為にZ世代の表記は非推奨。持続可能な表記ではない為(全世代間の科学的考察が不可)。よって、今回の定義であるZ世代=「ゆとり世代・後期」以下とす。


セミナでは、博報堂GのAL丸山紘史(丙寅)取締役が「ゆとり世代・後期」以下へ響く広告・マーケティング戦術を、ND道満綾香(壬申)取締役は同世代が選ぶ本年上半期トレンドを中心に解説を行った。前者は「プレッシャ世代」、後者が「ゆとり世代・後期」。



<「ゆとり世代・後期」以下の主要な価値観>

 丸山取締役は、自身がヒアリングしてきたという同世代の価値観を解説。主要な価値観は主に以下の三つ。

  1. 繋がりを欲する
  2. SNSの自分を創る
  3. 好きが原動力


一にて、同世代の「SNSに時間を使う事が重要だ」と回答したのは約半数。SNS投稿の為に映える写真を撮るべく打合せを行う事も。時間とお金をSNS投稿に費やす。アカウントのフォロワ数や「いいね数」は彼らにとって通知表の様なもの。「数字が多い人物の意見に賛同し易い傾向にある。」と感想を述べた。


二にて、SNS利用時間が多い同世代は、親と同じレベルでインフルエンサや推している人物にかなりの影響を受けると。“推し活”と言われる消費行動で三~五万円/年を使うのは当たり前。百万円以上/年も使う強者もいる。十万円以上/年の利用は三割程度。


三にて、「誰かと好きで繋がりたい」「好きが自分を幸せにしてくれる」という価値観。繋がるに当たって利用するSNSにより、複数のアカウントを持ち、各々で違う人格を有す。特にTwとLINEの利用率が高く、十代・二十代男女のLINE利用率は凡そ九割。Tw利用率は凡そ六割。



人間関係はリセット

 また、SNS上でトラブル等があった場合、「ソーシャル クレンジング」という行為でアカウントを削除し、人間関係をリセットする。更に上の世代は現実が表、ネットは裏と棲み分けているが、同世代は表裏共にネット上に存在する。


今後、彼らに有効な広告・マーケティングに丸山取締役が有効だと考えるのは、以下の三点。

  1. 「推し事消費」;彼らの好きで動く
  2. 「SNSドラマ」
  3. 「CMV(Commercial Music Video)」;アーティストと企業がコラボするコンテンツタイアップ等 


丸山取締役は、セミナの最後に「この業界の中では一番、Z世代に向き合ってきたという所がありまして。我々ミレニアル世代です。それもですね、翻訳する為に僕は存在しているな、と思っておりまして。当然、説明する時に我々がしっかりと架け橋に慣れればな、という事を思っております。」と締め括った。



「人間関係リセット」のリスク

 消費傾向が短期的な同世代。若者としてはよくある消費行動だと思う。併し、上の世代と異なり、人生百年時代が確定している同世代に対し、人生の中・長期的なアプローチも今後重要であると考える。「人間関係リセット」のリスクだ。


別の調査「日本のZ世代意識調査:SNSのイメージや消費感度編/ネオマーケティング」にて同世代の内、「脱ゆとり世代」と「法学世代」は、「イノベータ理論」の中で最も遅いとされる『ラガード』の割合が四割強。ラガードの平均は二割弱なので、三倍に迫る(上図)。


今後、同世代がラガード四割強のままで居れば、彼らが政治の中核や企業のトップになった際に、日本の発展を見込む事が難しい。大人は短期利益と日本の中・長期利益を考え、マーケティングを行っていく事が重要だと思われる。


尚、本セミナは九月十四日~十九日に映像公開する。


記事:「ゆとり世代・前期」岡本早百合

画像:Z総研、㈱ネオマーケティング

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