【政治考察】 第四次安倍内閣は分水嶺に立った。今、何が起きているのか。事実上、仕掛けたのは自民第五派閥「志帥会」領袖の二階俊博(乙卯)幹事長。国会での財務省(大臣:麻生太郎)側の答弁に対し、平成三十年三月六日に「出せないという事は理解できない。」と関係書類の提出を安倍内閣に求めた。
始めに内閣と与党・自民は分けて考える必要がある。九月に総裁選がある為だ。自民内の各派閥は自身の派閥から総理・総裁を出したいもの。また総理・総裁を出した派閥と懇意にしたいもの。内閣を構成する安倍晋三(甲午)総理大臣は自民第一派閥「清和政策研究会」。在任中は派閥を抜ける。そして安倍内閣の屋台骨である麻生太郎(庚辰)副総理・財務大臣は自民第二派閥「志公会」。
与党・自民の衆参合わせた国会議員の数は四百五人を実質的に取り纏めるのは党三役で二階幹事長だ。前外務大臣の岸田文雄(丁酉)政調会長は自民第四派閥「宏池会」。竹下亘(丙戌)総務会長は自民第三派閥「平成研究会」。二階は総理・総裁にならない事を明言しているが、岸田は安倍からの禅譲を貰う為に長く外務大臣を務め上げた。
九月の総裁選では第一派閥「清和研」は当然に安倍を推す。麻生の第二派閥「志公会」も安倍を推す前提であるが、独自の動きもみせていた。二階は麻生と天敵の関係にある。過去の選挙でもいがみ合ってきた。来る総裁選は両名がキーマンともいえる。第四派閥の岸田と第五派閥の二階が組んでいるとなれば、安倍三選は黄色信号が点る。近頃の報道で与党・自民は安倍内閣の「下請け」と揶揄されている。これには黙っていられないだろう。
併せて、この五年間で官僚達の鬱積が相当に溜まっている。霞ヶ関の人事権を総理官邸が掌握し、報復人事等を行ってきた為に、先の文科省の事務次官が謀反を起した。事務次官は官僚として最高の地位だ。余程でない限り、謀反を起さない。報道現在の謀反は財務省である。誰かが第四権の報道にリークした。九日に国税庁長官だった佐川宣寿(丁酉)が辞任。同日に財務省は改竄を認める方針を出し、森友問題に関与していた近畿財務局の職員が自殺していたとみられる事が判明。遺書を残したという。
十二日には改竄書類は十四にも上り、昭恵夫人(壬寅)及び自民の有力政治家四名の名前を削除していた事判明。これは刑法「虚偽公文書作成等罪」になる可能性もある。渦中の籠池夫妻は大阪拘置所で既に七ヶ月も勾留及び接見禁止されており、未だ公判の見込みはない。恐らく黙秘権を行使している為だ。大阪地裁も保釈を却下している。一方の大阪地検は佐川も逮捕へ舵を切っているとのニュースも出た。
次は考えているのか
第四次安倍内閣にとって、非常に危険な状態へ突入している。十一日の政権寄りの読売新聞の世論調査では内閣支持率が過半を切ってしまった。但し、国民は冷静に鑑みなければならない。総理を誰にしたいのか。安倍内閣は米中露と韓国・北朝鮮と亘り合ってきた。日本を取り巻く各国元首達と渡り合える者が総理でなければならない。次に念頭を置いて世論を形成しなければ、都知事の様に、より生産性の低い者が就任してしまう可能性がある。
世論は内閣を左右する。だからこそ報道や野党が仕掛ける世論形成の前に、次ぎを考えなければならない。本当に追い込んで良いのか。
撮影記事:金剛正臣
0コメント