【金融・経済報道】 令和四年十月二十五日に経済評論家・加谷珪一(己酉)は、記事『銀行の預貯金は一刻も早く引き出したほうがいい…インフレ時代に真っ先にやるべき「マネーの常識」 /プレジデント社』を寄稿した。
本稿は、九月に上梓した書籍「スタグフレーション――生活を直撃する経済危機/祥伝社新書」の一部を再編集したもの。
インフレ期の資産運用として、加谷は「現預金の保有はご法度なのです。」と断言。デフレ期とは逆である点を強調。以下を問う。
インフレとは継続的に物価が上がる事を意味しています。
例えば、今年百万円だった自動車が五年後には百五十万円になっているという話です。
この時、私達の銀行預金はどうなるでしょうか
<債権も×>
結論は「銀行預金の価値は五年で約三分の二に減ってしまったという事になります。」と、インフレ期の現預金価値は、ただ下がっていく。今まで貯蓄に一生懸命だったユーザは、真剣に考える時期に来ている、という事だ。
今までは三十年ちかくデフレが続いていた為、現預金価値が上がっていた(預金強)。だから貯蓄をし続けた方が良かった。もし今後、三十年ちかくインフレが続く(物価が上がり続ける)場合は、現預金価値が下がり続けるので、直ぐ様、価値が上がるものへ投資する必要性がある。
加谷は、以下の金融商品にも警鐘を鳴らす。
銀行預金と同様、国債等債券に対する投資もインフレ時は大敵
インフレ期に有利なもの
インフレ期に有利なものは負債「借金」と。中長期のインフレならば、契約時の借入金額(負債)の価値が下がる為だ。例として「固定金利の住宅ローン」を挙げた。詰まり、デフレ期の同住宅ローンは損だった事になる。
借入金も負債(資産)なので、立派な資産運用である。
そして「過度なインフレで最もトクをするのは政府でしょう。」と。日本政府は一千兆円の負債を輸しているが、「最終的に物価が二倍になれば、実質的に政府の借金は半分に(≒銀行預金に多額の税、政府の負債に充当)」と伝える。これを「インフレ課税/財政学」と言う。
不動産・黄金
また「不動産」もインフレ期に強い商品に挙げ、「併し日本の場合、特殊事情(少子化等)が有りますから、不動産については条件付きの投資対象と考えて下さい。」と念を押した。現金を不動産に変える事は〇。
更に「黄金(ゴールド)」への投資に、加谷は注意を喚起する。黄金は無益商品で、且つ保管コストが掛かる為だ。黄金の特徴として、米ドルと不の相関関係がある。インフレが進めば、「ドル↓・黄金↑」。よって、黄金は富裕層等向けとした。
金融の中心地・米国ではFRBが怒涛の利上げを行っており、「景気後退(リセッション)」が囁かれ始めている。世界同時不況の可能性も問い質される中、物価は上がり続けるのか否か(インフレか否か)。
尚、日本では円安が進行中であり、ドル高(報道現在)。
記事:金剛正臣
修飾:FPhime
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