天皇陛下「私達一人ひとりが地球の将来を考えて、どの様に行動していくか。」と

【日本報道】 天皇陛下は、皇紀二六八二(令和四)年十月十七日に東京・芝公園にてNGO「地球環境行動会議(GEA、会長:山口俊一)が開催した本年の国際会議『持続可能な社会に向けた挑戦と可能性~気候変動、エネルギ、食料の安全保障~』の開会式へ御臨席なされた。


陛下は、お言葉をお述べになられた。


「国内外から多くの参加者を迎え、GEA国際会議二〇二二が開催される事を喜ばしく思います。今年も世界各地で高温や少雨、大雨や洪水等に見舞われた地域が幾つも在りました。日本でも夏が大変暑く、大雨による災害も発生しました。


先般、纏められた気候変動に関する政府間パネル『第六次評価報告書』では、人間活動の影響で地球が温暖化している事については『疑う余地が無い』とされています。また気候変動は、水問題をより深刻化させ、感染症や熱中症の発生を増加させる等、人々の健康と福祉に悪影響を与えると共に、食料生産にも負の影響を及ぼしていると言われています。


気候変動を始めとする地球環境問題に対処し、掛け替えの無い地球を守っていく事は、私達が取組むべき喫緊の課題です。



昨年、気候変動に関する『パリ協定』の実施ルールが完成し、本年は実施の段階に入った重要な年となっています。また来月には、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた国際的な枠組みを作る事を目指して、協議が開始されると聞いています。


二〇一五年に国連で採択された持続可能な開発目標の達成に向けて世界全体が取組みを推進していく事が求められており、私達一人ひとりが地球の将来を考えて、どの様に行動していくかが問われています。


この様な中で、『持続可能な社会に向けた挑戦と可能性~気候変動、エネルギ、食料の安全保障~』をテーマとした本会議は、持続可能な社会の構築に向けて、私達が国や立場の違いを越えて協力し合う為に、世界の叡智を結集する貴重な機会となります。


今回の会議では、気候変動や生物多様性の保全、循環経済、エネルギや食料の安全保障等、幅広い課題に対する国や企業、更には科学技術や金融の果たす役割等について、様々な分野の専門家が集い、議論が行われると聞いています。


このGEA国際会議に於いても、私達人類と私達の子孫、そして地球上の全ての生命が、末永く地球環境の恵みを受ける事ができる未来の実現に向け、活発な議論が行われ、その成果が広く世界に発信される事を期待しています。


そして、持続可能な社会の構築に向けた具体的な取組みが一層進展する事を願い、私の挨拶と致します。」


御影:あいさつされる天皇陛下/時事通信

修飾:FPhime

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