【高級ファッション報道】 平成三十年三月二十三日に東京・渋谷にて、ファッション ブランド『ハナエモリ マニュスクリ』の新作秋冬コレクションがアマゾンＦＷ東京内で発表された。
今季のテーマは「追憶」。デザイナの天津憂（己未）が、大テーマである“旅”の中で"世界で一番美しい本"を貯蔵すると称されるアイルランド「トリニティカレッジ図書館」に出会い、様々なものからインスピレーションを得た。心に残った美しい思い出をルックで表現した。
生地の花々は本の間に挟まれた「プレスド フラワー」をイメージ。ビック プリントで大胆にあしらわれたペイズリは図書館の建築から着想を得た。これらのモチーフは柔らかな生地と相まって、見る者に優雅な印象を与える。ベルトやリボンはウエスト マークが多い。トップス若しくはボトムスにボリューム感を持たせる事で、女性の括れラインを強調した。アシンメトリなドレスの裾は歩く度に軽やかに舞い、歩く度に余韻を残す。
ショーの中盤からは深みのあるバーガンディ レッドという茶よりの赤を使用。アンティークのブックカバーや厳かなイメージからヒントを得た。一言でバーガンディ レッドと言えど、その色彩は多数。シャイニとマット素材を同系色で組み合わせ、ルックに多彩な表情を生み出した。愛らしさの強いルックや意志の強さを感じるルック等、同系色にして全く真逆の印象を与えた。
今季のコレクションは女性活躍の現代で特に重宝されるだろう。華やかさ、強さと着心地の良さの三拍子が揃うブランドは数少ない。特に、二・三十代の女性が着ても美しく、気高く映えると思われる。ビジネス ウーマンの戦闘服とも言えるだろう。
同ブランドを生み出したデザイナ・森英恵（丙寅）は囲み取材中の天津に対して「良かったよ。」と固く握手を交わした。今後の展開として、天津は「旅をテーマにしているので何処にいって、何処に注目して、というのをどんどん掘り下げていこうと思っています。」と述べた。
撮影記事：岡本早百合
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