伊藤真 弁護士が自衛隊明記による憲法学を講義、九条二項は不文化へ

【政治考察】 先に開催された『主権者が政治を変える!さくら祭り(既報)』にて伊藤真(戊戌)弁護士が登壇し、自民党(総裁:安倍晋三)の改憲草案について講義した。伊藤弁護士は資格試験予備校伊藤塾の塾長を務める。著書の参考書は司法試験等を受験した法学部生なら知っている程に法学界では著名だ。


伊藤弁護士は「立憲主義を理解してない。」と斬り込む。安倍政権を違憲の事実の積み重ねと評し、新安保法制では全国の裁判所で七千人が違憲訴訟している最中である事を伝えた。憲法九条二項については「何より最も重大な変更点。」として、自衛隊明記をすると「戦力不保持」「交戦権の否認」を不文化する事が可能である点を主張した。


確かに新たな法は古い法に優先する(新法優先の原則)。例え二項の条文が残っていようと、新明記(新法)と相反する事象が起きた場合は新明記が優先して「戦力不保持」「交戦権の否認」が事実上、法としての効力が停止する。これを伊藤弁護士は不文化と言った。



<大型デモは徹底排除へ>

 また自衛隊を明記すれば憲法上の組織へと格上げとなる。日本国憲法制定以来、初の国民投票をもって自衛隊明記の改憲が実現すれば、その意味は甚大だ。「この国の形が大きく変わる。」と自衛隊の活動範囲や予算、学問研究に影響を及ぼす。


そして人権制限にまでハレーションする。国民投票によって改められた「憲法上の要請によって(人権を)制限できる。ありとあらゆる人権が制限可能。」と説明し、十八条・身体的自由権を憲法上の要請により徴兵制を実現できる点も解説した。自衛隊明記一つで徴兵制が違憲でなくなる、という事だ。併せて、国防や安全保障は憲法で制限できない旨も伝えた。実際には徴兵制の名称ではなく、「ふるさとを守る活動」等の言い換えでハードルを下げ、数ヶ月間の訓練で愛国心等を植え付ける事が可能と述べた。


元・共同通信社監事の梓澤和幸(癸未)弁護士も伊藤弁護士に同じ、徴兵制を警戒。報道現在で自民党で条文案を検討している国家緊急権「緊急事態条項」について、緊急権発動の条件である「災害時は」の部分に言及。これは自然災害だけでなく、「広辞苑には人為的な参事も含む。」と指摘。原子力災害や武力攻撃災害等と災害の用例を挙げた。そして新安保法制の大規模デモ等を人災と政府が認定すれば、緊急権を発動できるものと述べた。既に東京都(知事:小池百合子)では都内のデモ等を規制可能な「都迷惑防止条例改正案」が先月末に可決・成立。七月から施行となる。


週刊金曜日の佐高信(乙酉)編集委員は森友問題に関し、「公明党が野党になれば良いだけ。結局、アッキーを庇っているのは(創価)学会でしょ。」と自民党だけでなく、連立を組む公明党(代表:山口那津男)も同罪であるかの様に訴えた。最後には「自民に天罰を、公明に仏罰を。」と唱えた。


記事:羽田野正法、撮影:金剛正臣

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