北が核実験場を廃棄へ、金正恩の見つめる未来

【政治考察】 北朝鮮(最高指導者:金正恩)は、平成三十年四月二十日に『中央委員会総会/朝鮮労働党』にて北部の核実験場の廃棄を決定。報道各社が号外として報じた。東アジア情勢が変わる可能性が出てきた。


併せて、弾道ミサイルの発射実験を中止。あくまでも北が廃棄を実行した場合に好転する。日米の両防衛相が北の完全な核廃棄に向けて最大限の圧力で一致したばかりであった。二日前の十八日には米・CIA長官が極秘に訪北し、金正恩と会談していた。


北の核関連施設は今回に廃棄する北部だけではない。交渉カードの一つを切った程度に過ぎない。同日には韓国(統領:文在寅)と繋ぐ、初設置となるホットラインの実務者間による試験通話を行った。今週に南北首脳間の電話協議をホットラインで行う予定で、二十七日には南北首脳会談。朝鮮統一に弾みがついている。


五月には日露首脳会談、日中韓首脳会談も控える。


四月十七日と十八日には六回目となる日米首脳会談を実施。六月に予定する史上初の米朝会談にて、日本の拉致問題を米が俎上に上げる事が見込まれ、共同記者会見で武器の更なる短期の輸出を日本に期待していた。日本列島の南北で十八日に大規模軍事演習。ロシア(統領:ウラジミール・プーチン)は北方領土周辺で、中国(国家主席:習近平)は沖縄の南西・台湾海峡で実弾を用いた。


北部の核廃棄を決定した北は条件付きだ。「威嚇が無い限り。」と日米だけでなく、中露も牽制。北にとって核廃棄はビジネス的にも交渉できるカードだ。廃棄の見返りに日米(主に日本)に経済的補てんを請求できる。だが今回に北部施設を先に廃棄する意思をみせた。核弾頭の廃棄条件で日米及び中露を悩ます。


特に朝鮮統一(赤化路線)は日米には軍事的脅威が格段に上がる。国防ラインが釜山周辺まで南下してしまう。確かに米英仏による十三日のシリア(イスラエルの北、イラクの西)への空爆は北への影響がなかったとは言い難い。だからと言って北が米に恐れ戦いている訳ではないだろう。三十代の金正恩は恐らく未来を見ている。暗殺等がなく、金王朝を維持し続ければ、二十年ないし三十年後に周辺国の首脳達よりも経験と実績を実質的に有している事になる。


その未来に辿り着くルートを模索している様にみえる。初夏に東アジア情勢が動く。


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