【経済・財政報道】 岸田総理(丁酉)は、令和五年一月二十四日に第二回「経済財政諮問会議」を開催(既報)。実質、日本国の最高会議。政治=財政。
民間議員(十倉雅和・中空麻奈・新浪剛史・柳川範之)は、『今後の少子化対策の検討に向けて』を提出。子ども・子育て関連政策を総合的、且つ「ベストポリシミックス」の形で取り纏めるべき、とした。
併せて、子ども・子育てを支える「成長と分配の好循環実現のマクロ政策」も重要と訴えた。
<現金給付・住宅政策・高等教育>
以下が、求める「ベストポリシミックス」による政策体系。
- 経済的支援の強化
- 保育サービスの拡充等育児・仕事の両立支援
- 働き方改革の推進
一では、「家族関係社会支出の拡充」と「住宅・教育に係る経済的負担に対する支援」を挙げた。前者は、「家族関係社会支出/GDP」より「現金給付(児童手当等)」の手厚さに触れ、日本は量・質共に更に拡充の余地がある、と。
後者は、高・出生率の国で子育て世帯に対する「住宅政策」が充実している点を指摘。併せて、「高等教育への公的支援」も手厚い点を指摘した。特に住宅政策はロシアが成功し、人口増へ反転した。
「女性の労働参加と出生率」で失敗
二では、「女性の労働参加」と「出生率」の関係が、各国で女性の社会進出が進み、経済力が上昇した現在はプラスに転換した点を指摘。日本は失敗中(上図)。民間議員は、育児支援策として出産の意思決定を後押しする施策の拡充(「育児と仕事の両立支援」「各自のニーズに応じた保育サービス」)を必須の課題と。
三では、「長時間労働の是正」「男性の家事参画促進」「女性の L 字カーブ解消」「若年世代の所得向上(職務給)」を挙げた。
民間議員は「デフレ下での低い賃金上昇や非正規雇用の増加によって、若年世代の所得は低位に留まっている。年収・四百万円以下の若年男性の有配偶率は約五割、三百万以下は約三割。所得環境の悪化が晩婚・非婚に繋がっている。」と、岸田総理へ根源を断じた。
また、若年世代への分配強化が不可欠の課題(「賃金の着実な引上げ」や「年功序列→職務給への見直し」を含む)とした。
=考察=
結論は、子育て世代への分配強化に尽きる。当時の若者であった「氷河期世代」への分配を大いにケチった。平成九年に消費税を三㌫→五㌫へ増税後、小泉内閣以降は竹中平蔵(辛卯)元・金融相による「非正規化」で所得減。故に少子化が加速中。
「女性の労働参加と出生率」の失敗は、竹中元金融相等の「しらけ世代」と「バブル世代」の二世代による労働搾取・人権侵害を主因と見做せる(各現場への直接取材より)。両世代はブラック霞が関等、弊害は目に余る。現在では「氷河期世代・前期」も加担している模様。
人口ボリュームで考えれば、中堅「氷河期世代」への分配強化も外せないだろう。恐らく投資対効果(乗数効果)で計算すると、「氷河期世代」対「ゆとり世代・脱ゆとり世代」では、現時点で前者の方が投資対効果が高い可能性がある。理由は、民間調査より後者がラガード化(頭でっかち化・無気力化)している為である。ラガードへの投資は、経営学的に控えるもの。
これは、内閣府等の乗数効果シミュレーションに期待したい。これは「出生率弾力性」と言えるものだ(例;家族政策が出生率に及ぼす影響/財務省)。「世代別(日本九世代)」で出生率弾力性(子育て支出が一㌫減ると、出生率は?)をシミュレーションする必要があるだろう。
日本政府は未だ「年齢別」でセグメントしているが、文化背景等が異なる「世代別(日本九世代)」で計測する事がマーケティング上でも適格だろう。
記事:金剛正臣
画像:資料5 こども政策の強化について/内閣府、わたしの選択(4)育児支援も処遇も 出生率左右/日本經濟新聞、資料4-2 今後の少子化対策の検討に向けて/内閣府、FPhime
0コメント