三権の長の年頭所感で分かるコト、総理は挑戦の年と

【政治・社会ニュース】 平成二十八年一月四日に安倍内閣総理大臣は、「年頭記者会見(画像引用)」を首相官邸で行った。元日に公表された「年頭所感」を略踏襲し、雇用の増加、デフレ脱却、平和・経済外交の実績を主張。併せて、“「一億総活躍」社会への挑戦”を掲げ、新三本の矢を「戦後最大のGDP六百兆円」、「希望出生率一.八」、「介護離職ゼロ」の的に向け放つ。


 | そのスタートを切る本年は、挑戦、挑戦、そして、挑戦あるのみ。未来へと、果敢に、「挑戦する一年」とする。その決意であります

そして記者会見では本年の干支が“丙申”である点に触れ、六十年前の「経済白書/内閣府」内の戦後ピリオドと新国造りの出発、及び三百年前の徳川幕府八代将軍であった徳川吉宗の財政建て直しを絡めた。行政府(内閣)の長は、伊勢志摩サミットの議長国を務める本年を「一億総活躍・元年」の幕開けと宣言した。



<一票の較差>

 立法府の長の一人、山崎正昭 参議院議長の「年頭所感」は、昨年を振り返り一票の較差是正における一定の結論を評価。今夏の『参院選』が新制度で実施されるコトに深い感慨を覚えた。

 | 本院が引き続き議員任期6年の特徴を生かして、長期的・総合的な観点を踏まえた審議や調査活動を進め、国民の負託に十分応えられますよう、私も議長としての職責を全力で果たしてまいりたいと存じます


もう一方の長、大島理森 衆議院議長は「年頭の辞」として公表。文字数は千四百字を超えた。TPPや消費税等に触れ、様々な課題について与野党が誠実な議論を尽くし、より良い制作を実現するコトが肝要と記した。次にグローバルな問題(テロや難民等)を挙げ、東アジアの隣国との相互理解の増進や関係改善にも貢献する旨を綴った。後半では、投票価値の平等の要求に関する最判(最高裁判例)へ言及。改革を進める決意を示した。

 | 私は議長就任後、初めての新年を迎えます。歴代議長の憲政にかけた強い信念を継承し、国会が国民の期待と信頼に応えるべく、衆議院議長として最善の努力をいたす所存です



<司法の情報セキュリティ強化>

 司法府の長である寺田逸郎 最高裁判所長官は「新年のことば」で、自然災害による甚大な被害から綴り始め、裁判所に社会から期待されている“本来の使命の重さ”を追求。民事裁判・家事事件・刑事裁判と段落分けし、それぞれ、民事訴訟手続きや労働審判制度、成年後見やハーグ条約、裁判員制度に言及した。また昨年がジョン王により制定された  「マグナカルタ(大憲章)/イングランド王国」の宣明八百年であったコトを挙げ、裁判所の職員に向けた訓示を連ね、特に情報セキュリティを重視した。字数は、三千字に迫る。


三権(司法・立法・行政)の長がその一年をどの様に捉えているのかが分かる「年頭所感」。彼等の意志は行動となり、国民の生活に大きな影響を及ぼす。逆を云えば、この「年頭所感」を確認すれば、その年の三権の流れが見えてくる。往々にして、「年頭所感」から逸脱するコトはないと云えよう。

(了)

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