骨太方針にH3ロケットと道州制の検討

【政治報道】 安倍内閣は、平成三十年六月十五日に『経済財政運営と改革の基本方針二〇一八~少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現~(骨太方針)』を閣議決定した。全七十二頁。以下の四章に分けた。

  1. 現下の日本経済
  2. 力強い経済成長の実現に向けた重点的な取組
  3. 「経済・財政一体改革」の推進
  4. 当面の経済財政運営と二〇一九年度予算編成に向けた考え方


一では名目・実質GDPが過去最大規模に拡大し、景気回復が戦後二番目の長さになる可能性が高いと鼻息が荒い。雇用・所得環境も大きく改善とした。二年後の国・地方の基礎的財政収支(プライマリ・バランス)黒字化は達成困難。その理由は来年十月に予定する消費税引上げ分の使い道の見直し。潜在成長率の引上げの為には、供給側の抜本的強化改革を最重要に位置付けた。


五年後には人口の五割超が五十歳以上となる。新たな外国人材も受入れる。家族の帯同は基本的に認めない。


二では「人づくり革命」と「生産性革命」に最優先で取組む。以下は人づくり革命。


  • 三歳から五歳まで無償化(幼稚園、保育所、認定こども園、その他)
  • ゼロ歳から二歳の無償化(年収二百七十万円未満世帯)
  • 待機児童三十二万人分の受け皿と保育士の処遇改善
  • 高等教育の授業料減免と給付型奨学金(年収二百七十万円未満世帯)
  • 介護職員の処遇改善
  • 私立高等学校授業料の実質無償化(年収五百九十万円未満世帯)
  • リカレント教育の抜本的拡充
  • 大学改革
  • シニアに働く場を提供



以下は生産性革命。


  • 自動化と遠隔・リアルタイム化
  • 経済活動の最も重要な「糧」がリアルデータに
  • 行政の原則デジタル化
  • 地域発イノベーションと高付加価値の雇用の拡大
  • 人材強化
  • 次世代ヘルスケア・システムの構築
  • 二年後の5G開始
  • 規制・制度改革
  • 若手研究者の支援
  • 政府系機関と官民ファンドの全関連事業の申請窓口を一元化等
  • 「産官協議会」の設置



働き方改革は以下。


  • 罰則付き時間外労働の上限規制
  • 労働時間の状況把握や長時間労働者に対する医師の面接指導等(事業者)
  • 同一労働同一賃金
  • 高度プロフェッショナル制度の創設
  • 最低賃金の引上げ等


宇宙関連では、次期基幹ロケット「H3」の開発や情報収集衛星の機数増を挙げた。道州制については、基本法案の動向を踏まえて必要な検討を進める。



三では、再生計画で目指していたデフレ脱却と実質二㌫程度、名目三㌫程度を上回る経済成長の実現は未だ道半ばとした。


四では、来年度の予算に触れる。社会保障改革を軸とする基盤強化期間の初年度として、社会保障関係費や非社会保障関係費等について歳出改革の取組継続の方針に沿った予算編成を行う。


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