【政治考察】 平成三十年七月十五日に自由党の小沢一郎(壬午)代表の政治塾に小泉純一郎(壬午)元・首相が登壇し、囲み取材にも応じた。一致した点は反原発。
小沢が狙うのは来年の『参院選』でのねじれ国会。安倍内閣打倒を定例会見でも常に掲げているが、年も八十歳近くとなり、影響力も鑑みて最後の挑戦となる可能性も高い。朝日新聞は「最後の挑戦」と銘打った。小沢は過去に政権交代を二回、それ以外にも自民党内にも影響力を持っていた。そして田中角栄(戊午)元・首相を「オヤジ」と言う田中派の政治手法を汲む。
だが対する自民党にも田中派の政治手法を汲む政治家がいる。二階俊博(己卯)幹事長だ。当時、田中派に属し、田中を政治の師に位置付ける。その手法は先の田中の地元である「新潟知事選」にて発揮され、久方振りに野党から勝利をもぎ取った。安倍晋三(甲午)首相の師匠は小泉と森喜朗(丁丑)元・首相。
小泉の師匠は『日中平和友好条約』を調印した福田赳夫(乙巳)元・首相だ。息子は平成の元号を発表した福田康夫(丙子)元・首相。この頃の首相の順は森、小泉、安倍、福田、麻生太郎(庚辰)元・首相の順。
<小泉の本気度>
与野党の対決構図が見えてきたのではないだろうか。九月「総裁選」で三選となれば、「安倍・二階」対「小沢・小泉」となる。小泉は二年前より脱原発による野党共闘を煽っている。ただ選挙で本腰を入れたのは二年前の「都知事選」に立候補した細川護煕(戊寅)元・首相の演説のみ。次の『参院選』で本腰を入れるか否か。
安倍の方は「総裁選」にも一抹の不安がある。石破茂(丁酉)元・防衛相は新著「政策至上主義/新潮新書」を七月十四日に出版し、事実上の立候補を表明。自民党第四派閥「宏池会」の岸田文雄(丁酉)元・外務相は未だ安倍支持を表明せず、十二日に第三派閥「平成研究会」の竹下亘(丙戌)総務会長と会談。竹下も安倍支持を未表明。石破の第六派閥「水月会」は宏池会との共闘を探る。小泉進次郎(辛酉)筆頭副幹事長も未表明で流れを左右する可能性がある。
この一年、若手が決める
そして米中の経済摩擦が日本の貿易に如何に影響を与えていくか。流石に経済打撃を受ければ、倒閣となってしまいかねない。安倍内閣には「総裁選」「米中経済摩擦」「野党共闘(統一地方選、参院選)」の壁が立ちはだかっている。
小沢は安倍三選であろうが、新内閣発足であろうが、共産党を含めた野党共闘を来年七月までに行わなければならない。主軸の一人区は立憲民主党にする模様。その為には今一度、議席を減らす覚悟で共産党が協力し、国民民主党が立憲民主党に譲らなければならない。また二十四日には「希望の党」が結党大会を開く。
森・加計問題とは異なり、国民が未来を決める一年が始まる。特に若手の政治家に注目されたい。よって『参院選』は波乱が起きやすい。
画像引用:議員歴49年、小沢一郎氏の「最後の挑戦」 増す存在感/朝日新聞
記事:金剛正臣
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