大島理森 衆院議長が今常会の安倍内閣に対して異例の厳しい苦言

【政治報道】 大島理森(丙戌)衆院議長は、平成三十年七月三十一日に『衆議院議長談話(今国会を振り返っての所感)』を公表し、異例となる記者会見を国会内にて行った。


国会(立法府)は憲法により「国権の最高機関(第四十一条)」の位置付け。内閣(行政府)及び最高裁(司法府)よりも上位である。特に現憲法下では、貴族院から参院と変わった事により、両院は同格化。実質的に衆院より総理大臣を輩出する慣行がある為、衆院が優位と見做せる。つまり衆院議長は三権において最上位と見做す。


大島議長は談話で本年の常会に関して以下の五点に触れた。

  1. 行政府・立法府の自省と反省
  2. 行政からの正しい情報提供
  3. 行政執行の公正さと行政府の不祥事
  4. 政府への運用改善と制度構築
  5. 第一義の責任は行政府、国会の責務にも検証の余地


総じて安倍内閣への苦言であり、国会の監視能力を問うものである。報道各社の世論調査においても、安倍内閣の支持率は極端に下がらないものの、各問題に対する内閣への評価は厳しい。「私たちは、国民から負託された崇高な使命とあるべき国会の姿に思いをいたし、憲法及び国会関係諸法規によって与えられている国会としての正当かつ強力な調査権(第六二条)のより一層の活用を心掛けるべきであります。」と、現況では民主主義の根幹を揺るがすと考える大島議長は語気を強める。

また国会関係諸法規の改正も視野に入れる。


毎日新聞は二日付の社説で「所感は特別なことを言っているわけではない。国政に参画する者であれば当然わきまえておくべき常識だ。それをあえて唱えなければならないところに問題の深刻さがある。」と、今回の大島議長の談話と記者会見を問題視した。


今回、衆院議長が内閣に警告を出した点は非常に大きい。秋の臨時会は来年の常会で自省がなければ、国民が来年春の『統一地方選』と夏の『参院選』で審判を下さなければならない。審判を下さない場合には、更なる内閣の増長を後押しする覚悟をするべきだろう。


尚、安倍晋三(甲午)首相は七月二十日の記者会見にて「今国会の会期中、行政を巡る様々な問題が明らかとなり、国民の皆さまの信頼を損なう結果となった事について、行政のトップとして改めて深くお詫び申し上げます。」と頭を下げた。


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