豊洲の市場移転延期の可能性も、ないがしろにされる業者と江東区民

【社会考察】 平成三十年八月十一日に江東区議会(議長:佐藤信夫)は、豊洲氏市場に関する報告を受けての佐藤議長(庚子、写真下)のコメントを「こうとう区議会だより」に掲載した。都(知事:小池百合子)が約束を守らない場合には本区議会は何らかの意思表示をする必要がある、とした。具体的には都が十月十一日に決定した豊洲移転を延期する決議が挙げられる。


本区議会は、これまでの都の対応から、市場移転延期の決議に踏み切らざるを得ない可能性も示唆していたところですが、今回の報告内容には、課題解決への一定の前進と今後の取組への決意が示されたものと斟酌し、決議については留保することとしました。しかしながら、豊洲市場の開場があと3か月あまりと迫っている現状を踏まえると、積み残しとなった課題に進展が見られない場合は、改めて何らかの意思表示をする必要があると考えます


本区議会にて延期決議がなされた場合には、都は江東区民の民意に対して移転を強硬できない。豊洲市場は江東区内にある。



<江東区民を無視する都知事>

 七月三十一日には百合子都知事(壬辰、写真上)による豊洲市場の「安全・安心な市場」発信があった。自身が行った移転延期から既に二年が経過している。これに対する議長コメントは「豊洲地域全体の風評被害払拭に関する要望にも応えるもの。」と一定の評価をしているものの、「賑わいの場の整備や交通対策も含め、区議会との約束事項に関する進展状況等について、協議・報告することを引き続き求めてまいります。」と協議と報告を求めている。


山﨑孝明(癸未、写真上)区長は都からの書面及び直接の謝罪を受け、七月九日の定例会見にて本区が進める地下鉄八号線については評価。千客万来用地の活用が未定で「開場する十月十一日の前にはきちんとした計画を出して、これでやっていきますという事を出すべきで、これは礼儀だと思っています。」と都への説明を求めた。六月二十九日に副知事が本庁舎に訪れていた。



エリートだった筈の都職員も

 豊洲移転を断念する業者もいる中で、都職員の杜撰な応対も問題視されている。水産卸売り場の移転先は七街区の三階。この階に飲食店舗街(画像上)も設ける。最寄駅は東京臨海新交通臨海線「ゆりかもめ」の新豊洲駅か市場前駅で築地市場からは三㌔㍍離れる。そして三階とアクセス数の懸念も業者にはある。


何よりも狭さだ。従来の冷蔵庫を持って行くと、その狭さから魚を捌く包丁が冷蔵庫にぶつかって使えない。この点を業者が都職員(中央卸売市場)に相談したところ、「冷蔵庫を(スリムな)縦型に変えれば良いじゃないですか。」と、エリートの名が泣く質の低い公務員だ。


ここまでの経緯でも本区議会と区長は報告や協議、約束の履行を強く求めている。業者や区民をないがしろにすれば民主主義的に悪である。ないがしろにされているか否かは、業者や区民が決める。相変わらず、現場を無視する百合子都政の様だ。八月二十八日には宝石のイベントに都知事は参列する。


画像引用:江東区東京都中央卸売市場

記事:金剛正臣、撮影:岡本早百合



0コメント

  • 1000 / 1000