【社会報道】 平成三十年十月十二日から十四日までの三日間に東京・新橋にて東京美術商協同組合は、 一流の美術商が一堂に集うアートフェア『二〇一八東美アートフェア』を開催する。出展者は全百二。
同フェアは、創立百年以上の歴史を持つ東京美術倶楽部(代取:淺木正勝、三谷忠彦)で開催する。昭和三十九年が最初で三年に一度に開催の「東美特別展」と姉妹関係にあり、日本美術を世界に伝えたいという思いは、当時から現在まで続いている。各美術商が古美術や近代美術、現代美術、茶道具、工芸等の多岐に亘るジャンルから「今だからこそ注目すべき名品」を出品。会場には時代や地域を超えた様々な美術品が一堂に集まる。
現代アートや日本のデザインの原点に出会うことができる場を提供している。作品を通して日本の美術史を振り返る点も同フェアならでは。本年の同フェアは、正に「世界が愛した日本美術」を体感できる場と強調している。
例えば、 ”最後の浮世絵師、 明治の広重”と呼ばれ、NYのメトロポリタン ミュージアムにも作品収蔵されている「小林清親」の作品『柳原夜雨(画像最上)』を出品する。民衆の日常に根ざした「民藝」も作為的でなく純粋な美しさに注目が集まっており、日本民藝館は訪日外国人にも人気。本年は、民藝運動を代表する「河井寛次郎」の『花手扁壷(画像上)』や「バーナードリーチ」の壺を出品。昨今話題の「明治の工芸」も。明治三十三年のパリ万博で大賞を受賞した「初代宮川香山」は、”幻のやきもの”といわれる。今回出品する高浮彫の緻密な「春景の図 椿に小禽 高浮彫花瓶 一対(画像下)」は観るものを魅了する。
現在、国内外で日本美術に注目が集まっており、「日本のアート市場に関する調査二〇一七/文化庁」では陶芸(陶磁器)が四百三十二億円、日本画が三百八十六億円、工芸が百六十二億円、掛軸・屏風が百三十四億円、書は九十九億円等と日本独特の美術品ジャンルの市場額は全体の多くを占め、多様性によって安定した市場となっている。
画像提供:㈳アート東京
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