フィリップ・プレインのミラノ コレクションで魅せたロック二点

【高級ファッション考察】 平成三十年九月二十三日に伊・ミラノにて開催されたミラノ・ファッション・ウィーク内で『フィリップ・プレイン』がランウェイショウを行った。ブランド名がデザイナで四十歳。ブランド設立年は十年と二十歳で立ち上げている。世界に店舗を有す。ファッション・ウィーク自体は十九日から二十五日。


ブランド自体のコンセプトは「ユニーク」「情熱的」「究極的」の三要素。アイコンはスカル。今季のコレクションでは「Indigital」をイメージクレジットとした。モデルにはダンサーを含め、マイケル・ジョセフ・ジャクソン(戊戌)のロックをプレイン(戊午)なりにデジタルに落とし込んでいる。だが最も注目されたのは、Bootyモデルをランウェイショウで起用し、塊になっているスチルの報道陣の前でスカートを捲くり上げ、ブランド名「Plein」を筆記体で魅せつけた点。


 これは非常に画期的だ。高級コレクションの既成概念を壊す、正にロックである。まずパリ・ミラノ・ロンドン・NY・東京をはじめ、世界のコレクションでは細身のモデルを起用していた。だがファッションデザイナには先端的なセンスが求められる。世界ではBootyがファッション的にも当たり前だ。Tバックまではマドリッドやサンパウロ等でルックを構成していたが、細身であった。今回の様なBootyモデルを起用し、スチルの真前でアピールした点は先鋭デザイナに相応しい。


そして、もう一点がブランドネームを報道各社が使いたがるショット(写真)に載せた点だ。近年、ネットの普及により、ブランドネームは蔑ろにされている。世界のコレクションの写真は一季で何万枚も世に出、どのルックがどのブランドなのかは一目で判別できない。プレインは報道各社及びファッションプレスの考えを織り込み、この『Booty×ブランドネーム』を実施。例えばゲッティ イメージズがブランド写真のトップに持ってきた。またSNS全盛の世において、有効なプロモーションに違いはない。



更にプレインは五月にリゾート コレクション、六月にスポーツ コレクションを発表している。通常は年に二回(春夏と秋冬)にも関わらず、ブランド露出を多面展開で定期的に計画。リゾートでは老舗の高級ブランドがランウェイショウを行う様な噴水のある庭園で、王道にロック、レザーを宛がった。スポーツではテニスコートを囲み、実際にテニスをプレーしながら、モデルが練り歩いた。


既成概念を保つ部分もあり、新たな提案を仕掛ける。正に王道的にロックなデザイナだ。




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