TIFF・アジア三面鏡シリーズ第一弾が新宿ピカデリーにて上映決定

【社会報道】 平成三十年十月三日に東京・有楽町にて第三十一回「東京国際映画際(TIFF)」の開催に先立ち、日本を含むアジアの気鋭監督三名が一つのテーマを基にオムニバス映画を共同製作するプロジェクト『アジア三面鏡』劇場公開記念会見を行った。


登壇者はTIFFの久松猛朗(甲午)フェスティバルD、国際交流基金の安藤裕康(甲申)理事長、「JAPAN NOW」部門の安藤紘平(甲申)プログラミング アドバイザ、行定勲(戊申)監督、松永大司(甲寅)監督の計五名。


 冒頭、久松D(写真上)は昨年に立上げた企画に加え、新たな試みに挑戦する旨を伝えた。日比谷での通期野外上映やアニメ、音楽、ファッション等の映画以外の六業種とコラボした「TIFFプラス」を実施する。「これまで映画祭に足を運んだ事がなかった人達にも来場して貰い、映画祭へ興味を持って頂ければ。」と拡大に意欲を示す。


安藤理事長(写真上)は、特にアジアとの関係を重視。世界人口の五十三㌫を占めるアジア地域は日本にとって重要な地域と指摘。今回のアジア三面鏡の共同プロジェクトで映画交流を通じ、更なる強化を目指す。また、本年の「JAPAN NOW」は多様性や曖昧さを意味する“アンビギュイティ”をテーマに、日本を代表する俳優と言っても過言ではない「役所広司(丙申)」を特集。アニメ部門では世界的に評価の高い「湯浅政明(乙巳)監督」を特集する。


 劇場公開が決定した行定監督(写真上)はアジア映画に影響を受けたという。恩返しの積りで取組んだ舞台はマレーシア。「ヤスミン・アハマドという女性監督からマレーシアの良さ、情緒、マレーシアで映画制作者が築いた国独特の情緒と私の作品が融合されるのが楽しみでした。」と前置きし、故・津川雅彦(庚辰)について監督の祖父と重なる部分があり、出演をオファー。「津川さんは海外の撮影が大嫌い。」ながらも出演を承認。津川は当初、自身が演じる役を 「死と生の狭間に存在する役なんだね。」と話した。

撮影時に深く記憶に残ったのは、海に近い場所でラストシーンを撮影した際。津川が「死と生の狭間で人間は何もできないんだな。」とマレーシアの海を眺めている姿を、忘れられないという。


本年のTIFFでシリーズ第二弾ワールドプレミアの松永監督(写真上)のロケ地はミャンマー。今後の映画作りに於いて、海外のクルーと一緒に作っていく事は「自身の作家性を広げていく一つの可能性だと思いました。」とコメント。撮影クルーは中国、インドネシア、ミャンマー、イギリスと様々な国のメンバだった。日本の考え方の違いより、各国メンバと言葉が通じない事が多かったと話て「もっと自分が、そういった環境で映画創りを勉強して成長していきたいと思いました。」と意欲を見せた。

『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』は、十二日より新宿ピカデリーにて上映する。


撮影記事:岡本早百合

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