運動較差≒所得較差、特にゆとり女子に老いの傾向

【ビジネス考察】 平成三十年十月七日にスポーツ庁/文科省は、平成二十七年度『体力・運動能力調査結果』の概要及び報告書を公表した。調査対象は六歳から七十九歳の男女、六万五千人。


まずスポーツ庁は加齢に伴う傾向を調査している点に着眼する。この「加齢に伴う」という国民のイメージは中年やシニアを意識している可能性があるが、実は異なる。握力等ではシニアに向って低下するが、上体起こしや反復横飛び、シャトルラン等では十九歳から低下が始まる。つまり、「加齢に伴う」のは二十歳になってから。それ以降は何もしなければ、「加齢(老い)が常に進行中」であるとの認識が欠かせない。


 概要での青年は二十歳から六十四歳。但し、各線グラフには二十歳から二十四歳等の男女が抜けているが、報告書では記載。例えば二十五歳から二十九歳の女子、所謂、ゆとり世代が危機だ。三十五歳から三十九歳の女子と同じレベルは反復横飛び、急歩(女子一千㍍)等と体力系。握力に至っては四十五歳から四十九歳の女子よりも劣っている。


過去の同世代と比べて、スポーツ実施状況(週一回)の比較も行った。女子に関しては昭和六十年度と比べて、十歳と三十歳から三十四歳の間で実施者が少ない。十九歳に至っては今と二十㌫の開きがある。女子は美容に興味を抱くが、化粧品等よりも新陳代謝のもととなるスポーツ実施そのものが少ない。先に運動であろう。併せて、ゆとり世代女子は他の世代よりも老い易い事は否めない。


スポーツ庁は、学校時代の運動部( クラブ) 活動の経験と体力に注視。

したがって,学校時代の運動部( クラブ) 活動での経験が,その後の運動・スポー ツ習慣につながり,生涯にわたって高い水準の体力を維持する要因の一つになっていると考えられる


青少年(十二歳から十九歳)については、達成意欲・運動習慣・体力との関係を分析。それに因れば、達成意欲は週三日の子どもと週ゼロの子どもとでは、男女共に二倍以上の開きがあった。女子の方が開きが大きい。


これは大人にも当てはまるのではないだろうか。最近はフィットネスの流行で週一回以上運動する機会が増えた。一方で全く運動をしない、避ける大人もいる。その大人もビジネスへの達成意欲、ひいては生産性に関与している可能性がある事は、子どものデータからも類推できる。ならば株主や取締役会は週一回以上の運動を行う者に投資を行った方が、全く運動を行わない者よりも確実性が高い事になる。


それは取締役自身にも適用できる事であるが、一つの経営指針となる。但し、強要して運動を行っても凡そ意味が無いであろう。あくまでも自発的に運動を行う者、即ち、向上心の高い者にビジネス的投資をした方が良いのであろう。喫煙の有無よりもデータ的に、性質的に確からしい。特にゆとり世世代の女子で運動を行う者は希少であろう。


達成意欲の高さによって生産性が変わる可能性がある以上、ビジネスマンには所得較差が運動較差によって齎されるものとみた方が良い。


画像引用:各年代の運動・スポーツ実施状況及び過去との比較/スポーツ庁

記事:羽田野正法

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