中小は減、大企業数は増!卸売業の厳しさ

【ビジネス ニュース】 平成二十八年一月二十九日に中小企業庁(長官:豊永厚志)/経産省は、昨年十一月に総務省(大臣:高市早苗)が公表した「平成二十六年 経済センサス基礎調査」のデータより、中小企業等の事業者数の集計した。直近六年は、減少トレンドであるものの、前三年(平成二十五年から二十六年)と前々三年(平成二十二年から二十五年)を比較すると減少幅が一割以上も減った。昨年七月時点。


前三年の中小企業・小規模事業者数は、四.四万者のマイナス。内、小規模事業者に限っては、九.一万者のマイナス。大企業は、五百十四者のプラス。小さき者はより多く減り、大きなる者は増えた三年であった。アベノミクスが、大企業優先の政策であった証しの一つとなった。中小以下の事業者には未だ厳しいビジネス環境だ。中小企業と小規模事業者の法的定義は上図(中小企業庁より引用)。



<中小の海外展開を推す>

 先月二十八日には、「商業動態統計速報(二十七年十二月分)/経産省」が公表された。十二月の商業販売額は、四十二兆円と前年同期比で三㌫の減少。内、小売業よりも卸売業の方が三倍も減少している。二十七年通年の商業販売額は、四百六十.二兆円と前年比で二㌫の減少。通年では卸売業は、小売業より六倍も減少した。卸売業の厳しさが伺える。


また、中小企業庁は先月二十九日に、平成二十七年度の補正予算「海外ビジネス戦略推進支援事業」の公募を開始した。本事業は、TPP参加国内の市場獲得を目指す中小企業・小規模事業者が対象で、海外展開の戦略策定や販路開拓への支援を行うモノ(実現可能性調査やWebサイトの外国語化)だ。支援ポイントは以下の通り。


  • 海外事業計画策定に係るアドバイス
  • 事前の市場調査・資料調査への助言や進捗管理など
  • 現地で調査すべきことを整理
  • 仮説の設定・検証
  • 現地調査に同行および現地でのアドバイス
  • 現地調査後のフォローアップ
  • 経費の一部補助
  • 外国語Webサイト作成に係るアドバイス
  • 運用開始後、海外取引管理などについてアドバイス
  • 翻訳費Webサイト作成費の一部補助



=解説=

 中小と小規模の事業者は依然、厳しいビジネス環境が続いていると云える。特に卸売業は仮想世界の発展に伴い、中抜きが進んでいる。資本規模が小さい事業者の活路は、仮想世界と海外(TPP)にあるだろう。仮想世界におけるビジネスでは、未だに自社のホームページを持たない企業も散見される。現状では、SNSの運用とオウンド メディアの開発まで求められており、勝者の条件となっている。海外におけるビジネスでは、TPPの署名を二月四日に控え、署名後のビジネス展開を行政がサポートする。


内需に頼ってきた日本であるが、シニア増加と現役世代の所得低下の中では、企業の存続が危ういコトが冒頭のニュースで理解できる。政府が推し進めたインバウンドによる外貨獲得に乗れた企業は、高収益を果たした。次なる段階は海外で直接稼ぐ、外貨の獲得だ。現地法人はもとより、現地におけるSNSやオウンド メディアの運用が欠かせない。そして何よりも、現地の文化は日本の文化と大きく異なる点を踏まえ、応対するコトで、ビジネスが発展する。狙うは、中国か東南アジアか。

(了)

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