中国世論は日本を好感だが米国よりも驚異と見做す

【社会報道】 平成三十年十月十一日に言論NPO(代表:工藤泰志)と中国国際出版集団(中国共産党中央直属の中国外文出版発行事業局)は日本外国特派員協会にて記者会見を開き、第十四回『日中共同世論調査』の結果を発表した。調査開始から初めて中国人の日本への「良い」印象が四割を越えた。


一方の、日本人の中国への印象は「悪い」が九割近くで推移。日中両国民間で非対称的な傾向が明らかになった。現在の日中関係については、日中両国民共に「悪い」との回答が八年振りに半数を下回った。だが、中国人の日本への意識改善の例外として、日本に軍事的な脅威感を抱く中国人は一年で増大。中国人にとって日本が世界で最も軍事脅威を感じる国となった。日本人の中でも、中国の行動に脅威を感じる人が同じく一年で増加。安全保障に限ると、両国民間に緊張が広がっている結果となった。


 日本側の世論調査は九月に実施。全国の十八歳以上の男女を対象に有効回収標本数は一千。中国側の世論調査は八月末から九月にかけて実施。北京・上海・広州・成都・瀋陽・武漢・南京・西安・青島・鄭州の十都市で十八歳以上の男女を対象に有効回収標本は一千五百四十八。


本年は日中平和友好条約の締結から四十周年という節目。本年の調査で初めて条約の評価を日中両国民に聞いた。工藤代表は、その理念が「実現できていない」と考える日本人が四割も存在している点に注目。これについて「『実現できていない』と判断する人は、日中関係やお互いの相互理解の状況に懐疑的な人が多く、また日中の軍事的な不安が、この条約の成果に疑問を投げ掛けている。」と分析した。条約の今日的意味を考える上で、両国政府の立ち位置が重要になってくるとの見方を示した。


「日本人の中国への印象が好転するには何が必要か。」との記者からの問いに工藤代表は、「中国に旅行に行く事。中国人と直接的交渉が少なければ、相手をメディアで間接的に知るしかない。先ずは自分の目で確かめる事だ。そして、お互いが知り合うだけでなく、協力しあう関係で問題解決を実現すれば、お互い、より知り合う事ができる。」と答えた。


国際出版集団の高岸明 副総裁は、「交流が足りないのは、両国にとってマイナスだ。中国の発展は急速だが、日本のメディアにはよりバランス良く、偏見もなく報道して欲しい。」と注文した。


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