コンペ日本代表の映画『愛がなんだ』、今泉力哉 監督が描く片想い|TIFF2018

【芸能報道】 平成三十年十月二十八日に東京・六本木にて開催中のTIFF二〇一八内において、コンペティション部門に選出された映画『愛がなんだ(来春公開)/エレファントハウス』の記者会見と舞台挨拶が行われた。本作は直木賞作家の角田光代(丁未)の同名小説を映画化したもの。


記者会見には、主演の岸井ゆきの(壬申)と今泉力哉(辛酉)監督が登壇。原作を映画化するにあたって拘った事や撮影当時に意識した現場の雰囲気作りの事、更に全力片想いを地でいく主人公テルコを演じるゆきのが自分自身との共通点を語った。片想いの心情について監督は「今は結婚してますが、恋人がいなかったり、片思いの時期も結構ありまして。恋人がいる人、結婚してる人が五十㌫ずつ想い合ってる、という事は未だに無いと思ってます。嫉妬も込めてですけど。ですので、“想いの差”というのにずっと興味があって。片思いはその一つの形だと思います。」と述べた。


撮影中の雰囲気作りで、ゆきのは「最初の頃は監督に答えを求めにいってしまってたんですけど、そうじゃないなと。監督と一緒に悩んで、そして、そういった戸惑いや迷いこそが主人公のテルコなんだなと。愛って答えが無いものなので、そこに向かって一緒に迷子になっていきながらテルコを作っていけたのは凄く良かったなと思います。」と話した。


舞台挨拶では原作を扱う監督の心構えを答えた。監督はオリジナルを主に撮っていた。「プロデューサから、この原作を映画化の話を頂いてから、実際に原作を読んだ時に僕が、これまでオリジナルで描いていた片想いや想いの差の形と迚も近いと思いましたし、何故僕に話が来たのかも理解できました。ですので、是非やりたいとお返事をしました。後、これまで自分が作っていた作品は恋愛に対して温度が低い人達が多かったのですが、今回は迚も温度が高く、想いが強い達が多くて。そこは原作がある作品ならではかと思ってまして。一緒にやれて迚も良かったと思います。」と打ち明けた。


=STORY=

28歳のテルコはマモル(マモちゃん)に一目惚れした5ヶ月前から、生活はすべてマモちゃんを中心に動いている。

仕事中でも、真夜中でも、マモちゃんからの電話が常に最優先。

仕事を失いかけても、親友に冷たい目で見られても、マモちゃんがいてくれるならテルコはこの上なく幸せなのだ。

けれど、マモちゃんにとっては、テルコはただ都合のいい女でしかなかった。マモちゃんは、さっきまで機嫌良く笑っていたのに、ちょっと踏み込もうとすると、突然拒絶する。今の関係を保つことに必死なテルコは自分からは一切連絡をしないし、決して「好き」とは伝えられない。


ある日、朝方まで飲んでマモちゃん家にお泊まりしたことから、2人は急接近。

恋人に昇格できる!と有頂天になったテルコは、頼まれてもいないのに家事やお世話に勤しみ、その結果、マモちゃんからの連絡が突然途絶えてしまう…。

それから3ヶ月が経ったころ、 マモちゃんからひょっこり電話がかかってくる。会いにいくと、マモちゃんの隣には年上の女性、すみれさんがいた…。


写真提供:㈱エレファントハウス

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