【ビジネス報道】 平成三十年十一月九日に日本生産性本部(理事長:前田和敬)は、『日本の労働生産性の動向 二〇一八』を公表した。昨年度の時間当たり・一人当たり「名目労働生産性」は過去最高を更新。だが日本の労働生産性(LP)はOECD加盟三十五カ国中で二十位(同財団調べ、二十九年)。最新の国際比較は来月下旬に公表予定。
LPは労働者一人当たりで生み出す成果、又は労働者が一時間で生み出す成果を指標化したもの。インプットをアウトプットで除する。前者は労働投入量(労働者数、又は労働者数×労働時間)。後者は付加価値額、又は生産量等。労働者の能力向上や効率改善に向けた努力、経営効率の改善等によって向上する。LP向上は、経済成長や経済的な豊かさを齎す要因と見做す。
昨年度の日本のLPは「名目労働生産性」で四千八百七十円/時間(〇.五㌫増)と八百三十六万円/人・年(〇.三㌫増)。共に過去最高を更新した。前者の時間当たりの水準は、五年連続で過去最高を更新中。
時間当たりの方は、実質経済成長率が一.六㌫増であった点や労働時間の短縮が〇.二㌫減でLPを引上げたが、生産性低下要因となる就業者が一.四㌫増となった点が影響。就業者増は七年以降で最も高い水準となった。一人当たりの方は、名目ベースで二十年のリーマン・ショック後に大きく落ち込んだが、二十三年度に底打ちしてから六年連続で上昇が続いている。
LPのトレンドを二十八年第一・四半期以降に大きく落ち込んだ例外を除き、今回の景気拡張期を通じて緩やかながらも上昇トレンドが持続しているとみられる。だが、二十九年第四・四半期から僅かなマイナスが三期続いており、これまでの上昇トレンドが足元で弱含んでいると概観した。
画像引用:日本の労働生産性の動向 2018
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