『㐂伝らーめん』復活、幸楽苑HDの新井田昇 新代取の展望

【ビジネス報道】 幸楽苑HD(7554.T1)は、平成三十年十一月十五日に東京・六本木にて『㐂伝らーめん』復活記念発表・試食会を行った。幻のらーめん店「㐂伝(きでん)」の味を再現し、同日より数量限定で販売開始。ゲストには復活を賭けた再戦に挑む第ニ代WBA女子世界ライトミニマム級の宮尾綾香(癸亥)王者を招いた。


同社は四月に新幸楽苑の戦略を発表。柱は「味の改革」「マーケティング手法の抜本的転換」「保有資産の活用と店舗ポートフォリオの最適化」「筋肉質な経営」の四本。様々な施策を展開し、四月から九月期の売上高を前年同期比で三.一㌫増の二百二.二億円とした。営業損益は一.八億円の赤字から九.九億円の黒字へ成長。着実に成果を上げている。


 十一月一日に就任した新井田昇(甲申)新代取は、経営方針と第二章と位置付ける新幸楽苑の戦略展望を発表。それは以下の四つ。

  1. QSC(クオリティ・サービス・クレンリネス)のレベルアップ;各地区責任者を社長直轄に
  2. 新店舗運営施策;一部店舗デザインの刷新
  3. マーケ手法の抜本的改革の継続;ソーシャルメディア連動やアプリ(来春)
  4. 幸楽苑働き方改革の導入;営業時間短縮


来期以降の中長期計画では、らーめん事業のドミナント戦略を強化し、資産活用としてのステーキ事業を維持しながら、飲食系でM&Aを仕掛けたい。そして海外再出店や海外市場への上場を図る。新井田代取は「百年続く企業として更に成長、発展させる様に今まで以上の改革を進めて参りたいと思います。」と述べた。


記者達には復活『㐂伝らーめん』の豚骨しょうゆ(写真上)とこってり(背脂入り)を提供した。二十五日迄の期間限定だ。前者のスープはさらさらとした香り。口奥に香りがつく。あっさりしているが、温かみがある。麺はもっちり感があり、薄めの豚骨の感じだろうか。噛み応えがあり、お腹というよりは口に味が溜まっていく。


後者(写真上)のスープの香りは見た目通りに重みがある。ずっしりとコクを感じる程だ。とろみと背脂の食感が独特だ。麺はしょうゆ味とは違うと感じた。意外と重過ぎず、他のメニューとの相性も良さそうだ。お腹の負担は軽い。だがスープの量によっては、それなりの重みが出てくる。


『㐂伝らーめん』は平成十一年から五年間だけ福島・郡山にあった。「㐂」は「喜」の草書体で、喜びを伝えるらーめんの意。現在の社名も通ずるものがある。


また、二十日に後楽園ホールで世界戦に挑む綾香王者(写真上)は、ファストパンチでギネス記録を保持。一分間に五百五十六回も打ったそうだ。世界選を前に「幸楽苑さんがV字回復をした様に。」と勝ち気をみせた。


撮影記事:金剛正臣

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