東アジアと中東の危機の大局観

【政治考察】 世界は東アジアと中東で戦争の危機を内包している。日本国民と政治家は大局観を確認すべきだろう。東アジアでは中国と北朝鮮、中東ではイラン・イスラエルとシリア(パレスチナ)。事が起これば日本には集団的自衛権があるので、相手国に参戦と見做される。


先ず東アジアでは一重に社会主義陣営が台頭している点にある。独裁主義と言い換えても本稿では差し支えないだろう。北朝鮮はロシアの前身であるソ連がつくった。現・ロシアは民主主義だが、プーチン政権は事実上、十八年間にも及んでいる。中国、中華人民共和国はソ連が資金面等で後押し、つくられた。韓国は米国が支援して現在も同盟国である。日中戦争の原因の一つでもあるが、当時の中国は中華民国(現・台湾)。英米が支援していた。故に北朝鮮も中国もソ連系である。


だが韓国の文政権は北寄り。連邦制等で南北の統一を図る。万一にも、朝鮮半島が社会主義に染まってしまう事(赤化)は在り得る。自由主義勢力である日本としても大いなる危機で、米国にとっても看過できない問題だ。日米戦争の果てに日本は七年間も占領されたが、途中の昭和二十五年の朝鮮戦争で米国は占領方針を転換。社会主義陣営の防波堤として軍事力と経済力の向上に舵を切る。その年に新設されたのが、「警察予備隊(現・自衛隊)」。米国は日本の赤化を喰い止めた。


米国には太平洋を挟んで保護国の日本がある。国は変わったが、ロシアには支援国の中国がある。そして社会主義陣営の北朝鮮と自由主義陣営の韓国。ロシアにとっては中国も北朝鮮も同盟関係にある。この構図は極論、明治二十七年の日清戦争時から変わっていない。現在では、日米に豪と印を合わせた「ダイヤモンド安保戦略(日米豪印戦略対話)」がある。経済では「インド太平洋戦略」となる。


対するは中国の「一帯一路構想」。陸路でも航路でも中東を通る。一つはイラン。そのイランに相対するは米国が支援するイスラエル。シリアの問題も三宗教の聖地エルサレムを巡り、イスラエルが首都と自称、米・トランプ政権が認定した。そのイランとシリアの隣国がトルコ。トルコは民主主義であるが、反米に舵を切った。ロシア・イラン・トルコは同盟状態だ。



本年の「軍事力ランキング/グローバル・ファイヤーパワー」の上位を分ける。自由主義(米国)陣営は以下の通り(欧州と東南アジアの非同盟国を除く、括弧内はランキング)。

  • 米国(一位)
  • インド(四位)
  • 韓国(七位)
  • 日本(八位)
  • イスラエル(十六位)
  • パキスタン(十七位)
  • 豪州(二十一位)


社会主義(ロシア)陣営は以下の通り。

  • ロシア(二位)
  • 中国(三位)
  • トルコ(九位)
  • エジプト(十二位)
  • イラン(十三位)
  • 北朝鮮(十八位)


先述した通り、韓国が引き抜かれそうだ。インドも絶対的な自由主義陣営とは云い難い。米中新冷戦と呼ばれるが、本質は米露の地球規模的な闘いである。


写真引用:いずも空母化、与党了承足踏み 公明が難色/毎日新聞

記事:金剛正臣

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