【ビジネス報道】 エステー(4951.T1)は、平成三十一年一月十六日に東京・大手町にてメディア向けのセミナ『香り成分が花粉アレルギー性を低下!凶悪花粉にも効くトドマツパワーの秘密』を開催した。環境科学と花粉症原因物質を研究する「埼玉大」大学院の王青躍(おう・せいよう)教授と 同社のグループ会社である日本かおり研究所の金子俊彦 代取が登壇した。
「花粉症患者実態調査(二十八年度)/東京都」によると、都内(島嶼を除く)のスギ花粉症の有病率は四十八.八㌫と推定され、二人に一人が花粉症に悩まされている。スギの花粉はニ月から五月上旬まで飛び、飛散量は三月にピークを迎える。花粉症は鼻水やくしゃみ、目のかゆみの他、倦怠感や頭痛等の諸症状を引き起こし、日常生活に支障を来たす。
一方、花粉の飛散量が多い森林の中で働いている林業従事者は、平均的に花粉症の有症者の割合が少ない。理由としては、山間部と都市部で飛んでいる花粉に違いがある点。セミナでは、王教授から都市部に多い凶悪化した花粉についての解説後、脅威を取除く為の三つのアプローチとして、新しく発見したトドマツの効果が紹介された。また金子代取からは、クリアフォレスト事業として研究を進めている北海道のトドマツの抽出成分につき、樹木の香りで空気の質を改善する働きやヘルスケアでの取組みについての説明を行った。
エステーは、昨年末に北海道のトドマツから抽出した香り成分配合の薬剤をマスクの外側に塗るだけで、マスク周りに浮遊する花粉のアレル物質の働きを低減する新製品「MoriLabo 花粉バリアスティック」を発売していた。
王教授(写真上)は花粉症を以下に説明。
- 大気汚染物質と花粉が結びつくと花粉は爆発を起こし、粉々になってしまう事でアレルゲンの飛散量が増
- 花粉の爆発によって小さな花粉が増え、体内に取り込まれやすく
- 大気汚染物質によって花粉のアレルギ性が更に増
トドマツの香り成分が、大気汚染物質である二酸化窒素の除去能力が最も高い。「トドマツの香り成分は、凶悪化した花粉に三つのアプローチで脅威を取り除いている事が分かりました。」と説明した。そのアプローチは以下の流れ。
- 空気中に浮遊するスギ花粉のアレルゲンにトドマツの香り成分が取り付き、アレルゲンの表面をコーティングし、花粉のアレルギ性を抑制
- トドマツの香り成分を花粉アレルゲンに曝露すると、花粉アレルゲンの毒性を低減
- 大気汚染物質でよりアレルギ性の高い凶悪化した花粉のアレルギ性をも低減。凶悪化した花粉にも効く
写真提供:エステー㈱
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