【ビジネス・社会ニュース】 平成二十八年二月二十二日に経産省(大臣:林幹雄)は、拓殖大学(理事長:福田勝幸)にて『社会人基礎力育成グランプリ 二〇一六』を開催し大賞を一件、準大賞を二件決定した。本グランプリは、大学の授業を通じて学生の“社会人基礎力”がどれだけ伸びたかを発表するモノで、ビジネス側からは大学の実力を量れる基準となる。幹事は、創価大学(理事長:田代康則)。
今回大賞を受賞した大学は、大阪工業大学の工学部。米国電気学会主催の国際開発コンテストに挑戦し、「電気自動車のワイヤレス充電装置」というテーマで世界第三位となった。ポイントは、主体的な問題解決姿勢とプロセス。準大賞の大学は、創価大学の経済学部と多摩大学の経営情報学部。参加した大学は、旭川大学の経済学部、愛知学泉短大の食物栄養学科、京都産業大学の文化学部、高知工科大学の経済・マネジメント学群、福岡女学院大学の人文学部(写真「出場チーム紹介」引用)の八大学となった。
同省が定める“社会人基礎力”は以下の三能力とそれぞれに下位する十二能力要素。
A.「前に踏み出す力(アクション)」
- 主体性
- 働きかけ力
- 実行力
B.「考え抜く力(シンキング)」
- 課題発見力
- 計画力
- 創造力
C.「チームで働く力(チームワーク)」
- 発信力
- 傾聴力
- 柔軟性
- 状況把握力
- 規律性
- ストレス コントロール力
=解説=
国内の新卒採用の環境の中で、企業(雇う側)と学生(雇われる側)のギャップを埋める手立ての一つと云えよう。上図の「社会人基礎力説明資料」に因れば、ビジネスマナー等の知識系は、企業が充分とし学生が不十分となっている。一方、粘り強さ等の人間力系は、企業が不十分とし、学生が充分となっている。これで就職を目指す学生は、人間力系を磨けば良いコトが分かる。
同省は、十八年から“社会人基礎力”の向上に「社会人基礎力を育成する授業30選」等で取り組んでいるが、知名度に欠ける。本グランプリは学生らが具体的に何をしたか、が分かり易く継続とプロモーションが欠かせないだろう。ヒト・モノ・カネの内、ヒトの重要性が増している。企業はこういった取り組みに参加している大学の学生を、積極的に採用する基準となるのではないだろうか。
(了)
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