【ビジネス報道】 平成三十一年一月二十五日に東京・半蔵門にて、仮想通貨「イーサリアム」の認知拡大の為の情報発信及びイベント開催を行うイーサリアム ジャパン(代表:橋爪塁成)とビジネスの為のブロックチェーン プラットフォーム「アルゴランド(CEO:スティーブン コキノス)」の二社はミートアップを開いた。
これまでのブロック チェーンでは分散性や処理能力、セキュリティの全てを満たそうとすると、「どれか一つが満たされない」という三刀論法(トリレンマ)が発生していた。例えば、ビットコインは一秒当たり約七つのトランザクションしか実行できず、処理速度が遅い。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)ブロック チェーンでは、取引の認証の為に約一時間も掛かる。マイニングにはハードウェアやストレージ、電力が必要となり、権力の分散化が阻まれるといった問題があった。
ビットコインはPoWによって分散性とセキュリティは高いが、その一方で処理能力が低く、三つの要素を全て満たしてない。だが、イーサリアムがプルーフ・オブ・スペース(PoS)を採用した後は、分散性が低くなる懸念がある。ITシステムでも可用性、信頼性、保守性等の要素を満たす事が安全なシステムと評価する傾向にあるが、現状では全てを満たしているシステムは少ない。
パブリックチェーンは、誰でも見て追加できるデータのチェーンだ。この特徴から、民主主義社会の在り方を再定義するものと考えられてきた。しかし、現実に社会の機能に実装されると、全くスケールせず、その潜在能力を発揮できない。アルゴランドは、この問題を解決する為の新しいプロトコルの在り方を提案している。
その新しいコンセンサス アルゴリズム は、「ピュア・プルーフ・オブ・ステイク」。主に二段階のステップで成り立つ。フェーズ1では、一人のノードが選ばれて新しいブロックが生成。フェーズ2では、複数のノードがスロットで選ばれて新ブロックを認証。先ず、フェーズ1で一人が選ばれた時点では、その人が悪意を持っている可能性がある。その危険性をフェーズ2で数千人の承認によって排除する。そして、このワンラウンドでブロックは略確定。その為にトランザクションのファイナリティを明確化し、処理速度を大幅に上げてスケールさせる事ができる。また、選ばれる確率は各参加者の保有ステイクに比例する。
ここではフェーズ2でブロック承認の為に選ばれたノードを承認委員会と呼ぶ。アルゴランドの考える真の分散ブロックチェーンは、ブロック生成の度に全てのユーザから新たにランダムに選ばれた委員会によってサポートされるチェーン。全ユーザから委員選出を安全に行う事自体に多大な量の計算とコミュニケーションが必要になると懸念に対しては、問題を解決するユニークな方法「抽選型ノード選択法」を導入している。
参加者は各ノードで公平に設計されたクジを引き、自分自身だけが委員会のメンバであるかどうかを知る事ができる。そして選ばれた場合には、自分が委員会のメンバである事を証明する為のウィニング チケットを得る。そして、他の参加者も誰が投票したのかを確認できる。ポイントは、選出された時点では、委員会のメンバは最初はウィニング チケットは自分自身だけが保持し、誰も見る事ができない点。その為に悪意を持った参加者がいたとしても、誰が委員会であるか分からないので、攻撃対象が不明となり、判明した頃にはブロック生成は完了している。またアルゴランドでは、「参加者代替性プロトコル」という前述した新ブロック生成の度に異なる委員会メンバが選定される為、非常に安全とする。
アルゴランドとPoWの比較は以下の通り。
- 必要な計算能力が少ない
- ブロック生成のスピードが速い
- 権力がユーザーに内在しており、ビットコインでいうマイナの様な、どのトランザクションが認証され
るかコントロールできる様な第三者がいない
アルゴランドの能力は以下の通り。
- 50万ユーザを対処しつつ、ビットコインの125倍の情報量を処理する
- 取引認証にかかる時間は1分間で、フォークの確率は極めて低い
- 必要とされる計算は、数秒間しか掛からない些細なもので、膨大な電力やマイナ、報酬が不要
- ネットワーク上の強敵に対する安全性がある
写真提供:㈳Ethereum Japan
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