【ファッション報道】 平成三十一年三月九日と十日の両日に神奈川・箱根町のポーラ美術館/ポーラ美術館振興財団にて、『「モダン美人になる秘訣」ー着物モデルから学ぶ、コーディネート・ポージング講座ー』を開催する。現代の着物も見れるトークショーだ。三月十七日までは、「モダン美人誕生 岡田三郎助と近代のよそおい」展が開催されている。
明治から昭和初期にかけて、日本ではファッションや美意識に大きな変革が起こった。この時代に理想的な「美人イメージ」の誕生に大きな役割を果たしたのが、本年に生誕百五十年を迎える洋画家の岡田三郎助(己巳)。
本展では絵画やポスター、写真、化粧道具の他、江戸時代の小袖(こそで)や大正時代の銘仙(めいせん)着物、帯留(おびどめ)、簪(かんざし)等の和装道具も展示。大正から昭和初期にかけて女性の洋装化が進んだが、上流階級を中心とした人々に限られていた為、一般の人々にとってはまだ敷居が高いものだった。
そこで、和装を基本に洋風アクセサリやモダンな髪型を合わせる等、これまでにない新しいお洒落が登場する。本展でも絵画に描かれた和装のモダンガールや当時の着物を観賞できる。今では洋装が基本となっているが、着物のお洒落は脈々と受け継がれている。洋装と和装の組合わせを楽しんだ大正から昭和期の女性達の様に、現代の私達の参考になる洋装と和装の組合わせを着物デザイナの川原マリア(写真下)が紹介する。
イベントのプログラムは、三つ。「川原マリアさんと企画展担当学芸員のクロストーク」として、幕末から昭和初期の女性の装いの魅力や図案家という仕事について話す。「コーディネート講座」では、展覧会展示作品と同時代のアンティーク着物ならではのコーディネートの魅力と帯や小物によって雰囲気を変える着こなし術を紹介。更にタートルネックセーターやシャツ、ベルト、サスペンダ等の洋装の小物を使ったマリア流コーディネートを提案する。「ポージング講座」では、クールやナチュラル、キュート等のキーワードを元に数パターンのポーズ例をスライドで紹介し、マリアの指導の下で実際にポーズをとる。
入館金のみで、定員は各日六十名。事前申し込み制。
三十代のマリアはモデル、イラストレータ、ライタの顔も持つ。一昨年に立ち上げた着物ブランド「MICO PARADE」の代取も務める。着物の図案家として修行を重ね、和の知識を習得した上で、現代的な感覚の下、和に関する書籍・イラストの執筆や和雑貨のデザイン、イベントを手掛ける。二十八年には「おしゃれな塗り絵BOOK 着物美人/ソシム」を発売。
画像提供:ポーラ美術館
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