MOUSSY・SLYのバロックジャパンが仕掛ける百億円投資、事業案を募集開始

【ビジネス報道】 MOUSSYやSLY等の二十代から四十代の女性をターゲットするファッション ブランド群を擁するバロックジャパンリミテッド(3548.T1)は、平成三十一年二月二十七日に東京・渋谷にて次世代コンテンツ開発プロジェクト・第三回『NEXT IS YOU』の開催発表会を行った。


元々は社内向けの新規事業開発であったが、キヤノン出身の村井博之(辛丑)代取の野望と相俟って資格を問わずに事業案を募る。募集期間は五月末まで。「世界の若者を熱狂させるような強い発し力をもち、逸脱した新規事業案を提案する人材」に百億円規模の投資を行う。テーマは「BLACK IDEA」。この黒は最高級の証として“究極”を意味する。


 村井代取(写真上)の野望は、アパレルに蔓延る短期的な利益追求から中長期的な利益追求への転換。これは、日本のファッション業界が衰退の一途を辿っている二つの原因の内の一つ。もう一つは老齢化。メーカ側の首脳陣や当日の記者達に若者の姿は略皆無で、若手を発掘・育成できる力が弱く、熱狂には程遠い。村井代取は短期的な利益追求のサイクルから脱したい。それは研究開発と同時に人材育成を重んじるキヤノンの社風が影響しているのだろう。


今回に募集する事業案も同社の事業に関わりが無くとも良い。事業案同士を組合せ、ないし掛け合わせる事も考えている様で、海外展開を視野に入れる。村井代取の口からは幾度も「中長期」の言葉が出ていた。同社は国内に三百六十八店舗、中国・香港・マカオに二百三十八店舗、米NY・マンハッタンに一店舗を有す(三十年一月末現在)。


発表会では若手の事業家達と俳優で彫刻家の片桐仁(癸丑、写真最上)が登壇。お笑いのラーメンズと言えば分かるだろうか。片桐は自身の「BLACK IDEA」をプレゼン。粘土を盛ったアート作品を、この二十年で二百点近く制作。台湾での個展「ギリ展」でも決まった程。“便利なものを使いづらくする”をテーマとし、発表会に大きな魚の形をしたiPhoneケースを持参した。そして「某ニーランドの山を見た時、“明るい感じの地獄だな”。」とブラック ユーモアで締め括っていた。


同社は本プロジェクトの成果物を独占する気がなさそうだ。ビジネスでさえも保有から共有、シェアリング エコノミの発想を抱いており、他企業との連携も模索している。尚、法人もエントリ可能だ。


撮影記事:金剛正臣

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