経営学の共通言語化、じわり

【ビジネス考察】 所得較差や教育較差、健康較差等と日本は較差と名の付くモノが増えている。較差の根源、それは“知識”。“知識”の中でもビジネスに纏わる“知識”で、ソレが有る者と無い者とで生活(所得・教育・健康等)の差が拡がる。とりわけ、現代において経営学は外せない。より高度な経営学を学ぶ経営大学院は、日本に三十三校ある(報道現在)。


報告書「平成二十三年 所得再分配調査/厚労省」において、社会における所得分配の不平等さを測る指標「ジニ系数」は、高齢者・母子・その他の三類で再分配後の数字が芳しい。当初所得の「ジニ系数」総数は〇.五五、再分配所得の総数は〇.三八。「ジニ系数」は、ゼロで較差が全くない状態で、イチで全所得を独りで有すとされる。詰まり、個々で稼いできた金額(所得)が偏り過ぎない様に、行政が各種サービスで補完する系数だ。


行政より再分配(各種サービス)されるモノは、年金・恩給、医療、介護、その他だ。高齢者に行政恩恵が多くある様に設定されている。それは、高齢者の当初所得の「ジニ系数」が〇.八一と非常に所得の較差があるからだ。行政サービス(再分配)を当てにするよりは、そもそも所得を増やした方が早い。そのタメに経営学は外せない。



<「経営学検定」という低コスト>

 三月一日に日経は記事「MBAコース、独自色の新顔 BBT、起業に特化 早大、金融専門に」を配信した。二つの経営大学院に新コース「アントレプレナー」「ファイナンス専修」が設置される内容のモノだ。記事ではアジアの有力校も好敵手に据える、と記す。当然に欧米はおろかアジアにも幾多の経営大学院がある。ポイントは、“知識”から“知恵”への昇華だ。経営大学院を出れば、皆が上場企業に成れる程に成功するワケではない。MBAは経営学修士を意味するものの、絶対的な経営力を貰えるワケではない。最後は自身のセンスだ。


大企業はMBA取得のタメに自社の正社員を海外留学させたりする。冒頭に触れた通り、個人及び個人の集合である企業、組織も較差が拡がる。中小企業は正社員を海外留学させる力が少ない。だがビジネス環境では経営学を前提とした、戦略・戦術、交渉、商品・サービス開発、イノベーションが行われている。中小企業も経営学は必須のビジネス環境であろう。


打開策は、取締役を始め主要な正社員が経営学を学ぶコトだ。例えば、「経営学検定/日本経営協会」がある。初級・中級・上級と分かれており、仕事をしながらでも学ぶコトができ、“知識力”を証するコトができる。MBAは手が届かないかもしれないが、国内の検定であれば対処は可能なハズだ。間違っても国家資格「中小企業診断士」を選んではならない。ハードルが高過ぎる上に実用性に乏しい。個人も企業もこれ以上、較差を拡げないタメにも共通言語の経営学はイチ早く会得(復習)するべきであろう。

(了)

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