中小の求人に大影響!新制度が今夏から

【ビジネス ニュース】 平成二十八年三月三日に記事『中小に「健康銘柄」認定 経産省、今夏制度化 ブラック企業根絶へ/産経デジタル』が配信され、経産省(大臣:林幹雄)の新制度「健康経営銘柄 ー中小企業版ー」導入が報じられた(「」内は非正式名)。これはブラック企業を実質的に推定認定する制度に近く、銘柄に認定された中小と未認定の中小では圧倒的な求人量の差が出る可能性を含んでいる。


健康経営優良企業に認定された中小企業のメリットは、低金利の融資や従業員のローン金利の引下げ、公共調達における入札評価の向上等が検討されている。評価項目と選定基準は、四月に同省と厚労省(大臣:塩崎恭久)が策定する。新制度は、アベノミクスの第二ステージ『日本再興戦略(第二部及び第三部)』が定めた三つのアクションプランの内、「二.戦略創造プラン」に係るモノで、民間の活動体「日本健康会議(画像引用)」が担う(他二つのアクションプランは、「日本産業再興プラン」と「改革のモメンタム」)。




=解説=

 新制度は新しい取り組みであるが、自民政権が続く以上、その効果は中小企業にとって計り知れない。認定されるか否かで圧倒的な求人の較差が拡がるだろう。「日本健康会議」によれば、健康認定の企業数ははじめ五百社を目指し、その後にランク下の“健康宣言”と称し一万社が認定される見込みだ。同省は既に大企業向けで、東証と共同で「健康経営銘柄 二〇一六」を選定している。FPhimeも記事「健康銘柄に選定された企業と翌日の株価」で報じた。


中小・零細企業数を四百万社とすれば、〇.二五㌫の一万社が求人に対し優位に立つ。現状でもリクナビやマイナビ等に求人を掲載する費用は重く、経営体力がモノを云う。求人に関する展示会でも中小のブースは手厳しい。そこで今回の健康認定だ。認定されれば、ブラック企業でないと国が証明するに等しいので、求人効果は甚大。認定企業にアクセスが集まるのは、自明の理であろう。


そして背景には、国としての施策がある。健康(ヘルスケア)の産業は先進国から拡大をし始めている。国内の大企業もこぞって健康に関する商品・サービスを展開し始めている。健康は医療・福祉とも連関性があるので、市場規模も輸出を含めれば、百兆円を臨める(健康・医療・福祉の合算)。故に、四百万の中小・零細も彼等の商品・サービスを買うコトが前提であろう。認定から避けるコトは、メリットよりもデメリットが多大だ。中小・零細は短期経営の時代が終わる。

(了)



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