【社会・ビジネス ニュース】 平成二十八年三月一日に米・経済誌「フォーブス」が『世界長者番付(ビジオネア リスト)二〇一六』を発表した。同日に併せて、記事「Here Are The 198 New Billionaires Of 2016/Katia Savchuk(画像引用)」にて、百九十八名の名前と顔が公開された。最も新たなビジオネアを生み出した国は、中国の七十名で資産合計は十二.三兆円。二番は米国の三十三名で七.五兆円。三番はドイツの二十八名で六.四兆円となった。
相続によってリスト入りしたのは、二割弱。七割強が自身で事業を興し、成功を収めた。略、例年通りの割合である。最年少は、十九歳のノルウェー人、アレクサンドラ・アンドリーセン。隣国の韓国からは六名がリスト入りしたが、日本からは誰もいなかった。首位は六十歳のビル・ゲイツ。日本人の上位三名は、六十七歳の柳井正、五十八歳の孫正義、五十二歳の三木谷浩史と変わらず。一兆円以上を有している。
=解説=
昨年に引き続き、日本人は新たなリスト入りを果たせなかった。平成二十一年から二十四年の日本の開業率は二㌫を切った。欧米は十㌫程度と日本は開業があまりにも少ない状況だ。「中小企業の開業率低下と創業支援/国立国会図書館」によれば、開業率の低下の要因を二つ(実質経済成長率と事業者対被雇用者の収入比率)と推測した。然しながら、事業主の高齢化等を視れば、実は異なる。若手による開業が大きく減っているのだ。
理由は簡単である。社会に対する閉塞感、絶望感である。あまりにも雁字搦めな社会をつくった先輩方のツケとして、若者やミドルの意欲を削ぎ落とした。挑戦を促しつつも支援をせずに、独力で成功しても吸い取られる。少なくとも若手は社会を引いた目でそう見ている。詰まり、若手の小さな成功例があまりにも少なすぎる。「起業は人生を掛けたモノ」、こう思わせている内は、国内経済を牽引できるビリオネアが続々出てくるコトはないだろう。それはグローバル化の時代において、国が衰退するコトを意味する。力あるシニア達の心の狭さが問題だ。
(了)
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