十年後のコンテンツ市場では米が音楽・放送・出版で、中がゲームで世界最大に

【ビジネス報道】 経産省(大臣:世耕弘成)は、平成三十一年四月二十六日に『二〇三〇年のコンテンツの世界市場を体感する経営シミュレーションゲームの設計(「コンテンツの時代」研究会報告書)』を取り纏めた。


これは、拡大するコンテンツの世界市場を見据えて主要国における人口動態やネット・デバイスの普及率、コンテンツ市場の展望等の他に消費者の余暇時間の過ごし方の傾向等を調査・研究し、コンテンツ関連企業の経営の戦略立案や研修で活用できるインタラクティブなシミュレーションゲーム(試行版)の設計に係るもの。


本報告書の対象は、コンテンツ関連企業の取締役会。十年後のコンテンツ市場のイメージ、事業展開における重要な要素等の議論に寄与する。特に「シミュレーションゲーム」では、取締役会が未来のコンテンツ市場を体感して理解を深められる様に今回の調査のデータをパラメータとして設定した仮想市場を組立て、自らプレイヤとなって体験できる。



海外ユーザの獲得が肝要

 調査結果ではデジタル コンテンツへのシフトを立証。コンテンツの所有からオンデマンド(要求)へ変遷している。国内のコンテンツ市場動向は、今後五年で年に約二㌫成長とみる。前五年は約四㌫成長であった。各コンテンツ別では音楽・映像・ゲーム・VRではプラス成長。中でもVRの成長率は高く今後の市場拡大を期待している。一方、出版はマイナス成長となった。


日本以外では音楽・放送・出版は米国、ゲームは中国が最大市場になると予測。中国・インド・インドネシアは、年平均五㌫以上の成長を見込む。特にインドは年平均で十㌫以上の成長率を期待。ゲーム市場の著しい成長と映像市場で令和三年に日本を抜く。


コンテンツ関連企業が引き続き成長していく為には、諸外国の成長を取込む事、詰まり海外ユーザの獲得が重要になると考える。併せて各社が、AI等の技術や顧客データ等を活用して個々の消費者の「ニーズにあったコンテンツ」を「適切にリーチさせる」という戦略を採っている為、「ユーザ ファースト」による差別化が重要となると考える。


今後は、コンテンツ関連団体・企業等の協力も得、試行を重ね改善しながら本格版の完成を目指す。更に、幹部候補への研修導入についても検討予定。


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