【社会報道】 令和元年五月七日に米・ワシントンDCにて超党派組織の外交問題評議会(CFR、会長:リチャード・ハース)は、国際シンクタンク会議「カウンシル・オブ・カウンシルズ(CoC)」の第八回となる年次総会を開いて『二〇一九年版 グローバル課題への国際協力の進展度評価(レポート カード)』を発表した。日本からは言論NPO・工藤泰志(戊戌)代表が参加。同評議会のメンバには元・米統領やCIA長官等が名を連ねてきた。
CoCには世界二十五カ国の主要シンクタンクが参加している。
五回目のレポート カードは、世界が直面する十分野の課題につき、加盟する各シンクタンクの首脳が一月にそれぞれ評価を実施。総合評価は「C」。昨年から少し改善した。世界秩序は危機に面してはいるが、まだ進歩は可能であるという認識に併せて、気候変動等の地球規模の課題に積極的に対応し様とする国々が出てきた点への期待より上方修正した。
昨年も国際秩序は不安定化。大国間の地政学程緊張が高まり、アジア・欧州・中東で地域的な対立構造が続いた。ナショナリスト、ポピュリストと保護貿易主義者の台頭を促し、米国の指導力は低下し、グローバル課題への国際協力がより困難となった。
CFR・ハース会長は「トランプ政権の下、国際秩序を守るというアメリカの伝統的な役割が放棄され、一部の分野においてはライバル勢力が指導力を持ち、秩序の維持の為に同盟国と協力する事も無くなった。その結果、国際的課題とその対応に大きな溝が広がっている。」と問題点を指摘した。
本年の重要度の順位は以下の通り。括弧内は解決に向う可能性の順位。
- 気候変動抑止及び気候変動による変化への適応(9位)
- 国際経済システムの管理(2位)
- 核拡散防止(5位)
- 国際的暴力紛争の防止と対応(10位)
- 国内暴力紛争の防止と対応(8位)
- サイバーガバナンスの管理(7位)
- 国際貿易の拡大(6位)
- 国際テロ対策(3位)
- 国際開発の促進(4位)
- グローバルヘルスの促進(1位)
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