手引き『大学発ベンチャの株式・新株予約権取得等』「同 実態等調査」「同DB」公表

【ビジネス報道】 経産省(大臣:世耕弘成)は、令和元年五月八日に『大学による大学発ベンチャの株式・新株予約権取得等に関する手引き―知的財産権のライセンスに伴う新株予約権の取得を中心に』を策定して公表した。大学による大学発ベンチャの株式・新株予約権取得を促進し、大学発ベンチャの成長を加速させる観点より策定。

併せて、同日に平成三十年度の「大学発ベンチャ実態等調査」とリニューアルした「大学発ベンチャDB」も公表した。


今回の手引策定の背景の一つに、米国と比べて大学におけるベンチャの株式・新株予約権取得を検討する為に必要なノウハウや知識が不足している点を挙げた。ターゲットは、大学が大学発ベンチャの株式・新株予約権取得に係る業務に関与する大学職員。各業務における基本的な考え方と留意点を整理。手引きは、法律等により株式等の取得が規定された「国公立大学」を想定しているが、私立大学にも参考となる内容を含む。


主な内容は以下の通り。

  1. 大学による大学発ベンチャの株式・新株予約権取得の範囲、意義、リスク
  2. 知的財産権のライセンスに伴う新株予約権の取得から売却に至る各プロセスにおける考え方と留意点
  3. 今後の大学による大学発ベンチャの株式・新株予約権取得の発展への期待
  4. 国内大学のヒアリング調査結果、新株予約権契約書の雛形の紹介(参考)



 「大学発ベンチャ調査」に関し、ベンチャ数が前年に比べて百八十五社の増、報道現在で上場しているベンチャ数は六十四社、時価総額は二.四兆円、解散企業である三百八十六社の内でM&Aによるものは十六社となった(平成二十八年度調査以降)。成長要因分析として、ステージ前期では「エンジェル・VCからの出資有り」「国内大企業とのアライアンス有り」「大学・公的研究機関とのアライアンス有り」「技術顧問が企業の技術者・研究者」、ステージ後期では「CEOの経歴が企業の経営層である事」が要因として有意な結果とした。


大学発ベンチャの大学別創出数の上位十校は以下の通り。創出数の数字は平成二十八、二十九、三十年度の順。

  1. 東京大学;227、268、271
  2. 京都大学;103、154、164
  3. 筑波大学;80、104、111
  4. 大阪大学;80、102、106
  5. 東北大学;76、86、104
  6. 九州大学;74、88、90
  7. 早稲田大学;63、79、82
  8. 慶應義塾大学;57、69、81
  9. 名古屋大学;49、81、76
  10. 東京工業大学;65、69 、66


リニューアルした「大学発ベンチャDB」には、計二千二百七十八社の内、二割となる四百七十九社のデータを蓄積。今後は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と連携して運営を行う。


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