三十年も負け続けた理由は一つ、首脳陣が論理的思考でないから

【論説】 平成三年のバブル崩壊から始まった「失われた十年」は、「失われた三十年」と呼ばれる様になった。この間、世界ではネット普及の第三革命と現在のAI・ロボ普及の第四革命を迎えている。


何故、失われたのか。それは、首脳陣が論理的思考(ロジカル シンキング)による意思決定をしなかったからだ。


第三革命は既に過去になっているので論じ易い。ネットの普及により、アナログだけではなく、デジタルにも商機が訪れた。自社のホームページやブログ、ソーシャル メディアへと発展。巧く使いこなす企業が商売を優位にしてきた。これはB2CでもB2Bでも、そして政治でも変わらない。だが、未だに全国の中小企業の内、半数以上が自社のホームページさえも所持していない。国会議員も未だに自身のソーシャル アカウントを所持してない者も多く散見される。ホームページは旧式で最終更新が遥か過去のものも多数。


平成の時代、首脳陣はネットの第三革命に対応しただろうか。否。ホームページやソーシャル メディアのアカウント所有数や更新割合を見れば、対応しなかった事実が分かるだろう。


論理的に考えれば、ネットでの諸活動における費用は逓減していったし、「ムーアの法則」等により安易に予測ができた。だが、第三革命に未対応の首脳陣は動かなかった。実際は忌避し、過去の商取引に固執した。こういった首脳陣は、きちんと退陣したであろうか。否。大方、未だに居座っている。だから日本経済や政治が上向く訳が無いのだ。第三革命の知識につき、無能である者が組織の陣頭指揮を執っている。

その組織の戦は必ず負ける。日本は三十年も負け続けている。


現在は第四革命下。AIはビックデータに基づき判断を行う。ロボはプログラミングにより自動化を図る。後者の適用範囲はまだまだ狭いが、前者は異なる。全企業、全政党が重視すべきものだ。根幹はビックデータ。数字で語れるか。論理的ではなく、感覚的に物事を進めている首脳陣は無能である。更に、好き嫌いで選ぶ者は愚かである。路上での喫煙が非常識な様に、非論理的思考も同様に非常識だ。路上喫煙者の様に忌み嫌われる時代だ。


本来は自然淘汰されるべき非論理思考の首脳陣が居座る。だから経済と政治は良くならない。


論理的に考えれば、第三革命に対応できなかった組織は、第四革命を乗り越えられない。ネットありきのビックデータだからだ。そういった首脳陣及び組織を保護してはならない。学びを怠ったのであるから、淘汰されるべきだろう。ともすれば、倒産件数や休眠件数は増える。市場に空席ができるので、参入障壁が下がり、第四革命に対応した新企業が登場する。この数が増える程に経済は上昇していく。


空席ができる事を恐れ、維持してはならない。それは衰退のみを意味する。新たなチャンスを獲得するには、第四革命に非対応・非論理思考の首脳陣との取引を見直す事だ。さすれば自ずと淘汰される。過去の取引を維持する事によって自身が衰退する事実を見つめる。


但し、ビックデータは過去のデータなので、この統計の中にはイノベーションが無い。過去のデータと現在無いデータを創り出す配分が重要だ。過去のデータによる意思決定が過半を割ってはギャンブル性が高くなる。せいぜい、イノベーション向けの配分は一割から二割だろう。

非論理的な首脳陣を避けていけば、日本に可能性は未だ残っている。

(了)

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