消費増税を論じる前に、それを決める者を育てる夏

【社会・ビジネス・政治論説】 平成二十八年四月四日に産経新聞グループのサイト運営会社「産経デジタル(代取:鳥居洋介)」が記事「消費増税の再延期、新聞各社の社説の論調は? 毎日と朝日は真っ向反対」を配信し、新聞各社の消費増税に対する見方を比べた。社説とは新聞社(報道・言論機関)による日本国を代表する論説で、重要だ。



放送法に縛られているTV等とは一線を画す。TV等は政治的公平性を厳守しなければならない(放送法第四条)ので、偏った政治的見解、今回の場合では消費増税についてTV社の主張をほぼ行えない。よって、日本国内の政治的言論に対しては、各新聞社の社説に委ねられユーザである国民が報道機関を選別できる。社説比較が多くなっているコトは、各社が個性を出している証拠でもあり、民主主義に適う。当誌ハイムは延期を推す。


当該記事で、産経は消費増税の延期を明確に支持している。毎日・朝日は反対、読売・日経・東京については触れず。実は、読売・日経東京ともに延期賛成。産経の支持する根拠は、先輩らが作った日本が抱える借金(瀬一千兆円超)と基礎的財政収支(プライマリ バランス≒国の家計簿)が悪いコトにある。


財政は先進国中でも最悪のレベル



消費税の用途

 消費税の使い道(使途、用途)は、何か。財務省(大臣:麻生太郎)HPには以下の様に記され、「社会保障のタメに使う」とされている。


社会保障・税一体改革により、消費税率引上げによる増収分を含む消費税収(国・地方、現行の地方消費税収を除く)は、全て社会保障財源化(平成26年度予算~)


国の総計二十七.七兆円の内訳は四種となっており、シニアが主体の年金と医療で二十二.九兆円。働き手が主体の介護と子ども系で四.八兆円。その比率(シニア対働き手)は、実に八対二より厳しく、消費税はシニアのタメと言っても過言ではないだろう。


  1. 年金;十一.七兆円
  2. 医療;十一.二兆円
  3. 介護;二.八兆円
  4. 子ども・子育て支援;二.〇兆円


尚、消費税は子どものお小遣いからも強制的に徴収され、八対二でシニアに補てんされる。孫にお小遣いを渡して、消費税で戻ってくるカタチ。否、それ以上か。





<そもそも何故に増税か>

 そして、何故に消費税を増税しなければならないのか。医療や社会環境の発達により、平均寿命が延び、働き手世代が子どもを作らなくなったタメと、個人および企業の税収が先の四種「社会保障費」と比較し毎年の増加率が劣っているタメの二点である。


個人の税収に頼るコトは難しい。企業の方は、第二次安倍内閣から始めたアベノミクスにより、大企業(上場企業)は芳しい成果を残した。この間、およそ四年。その実は、円安によるものであるが、米国は為替を日本や韓国等が操作したと見做し、超強力報復措置「ベネット・ハッチ・カーパー(BHC)法案」を準備している。その位、円安が極端だった。



安倍内閣は中小企業へシフト

 現在の第三次安倍改造内閣はTPPの発効を見据えて、海外で闘える中小企業づくりにシフトし始めている。TPPの発効時期は米大統領選が節目となり、不透明だ。日本には四百万の中小・小規模事業者がおり、ここの税収増加が欠かせない。


個人と企業の税収の伸びが悪いのに、社会保障費がとめどなく増加しているコトが消費増税しなければならない原因と診れる。政策の効果は、アプリのアップロードやインストールとは違い、何年も掛かる。大企業の持ち直しで四年も掛った。然しできた。では中小では何年掛るだろうか。





<どうする働き手の国民>

 当該記事では、毎日・朝日が首相の退陣を示している。現状のグローバル化の日本において中長期的な政権が必要なのは、目に見えている。自民・公明が駄目なら、民進に何年も頼るか。それとも以前に存在した「みんなの党(初代代表:渡辺喜美)」の様に、第三極を再度、国民が育てるか。


日本維新の会(解党)の代表であった橋本徹は、記事『既得権を打ち破れ! 大阪革命「橋下徹の3000日」/プレジデント社』にある通りに大阪府と大阪市を変えた。その間、府知事選に出馬表明した十九年より六年。六年掛けて、変えた。彼は自治体改革のベスト プラックティスとなった。


何かを変えるには既存政党の抵抗を受けるのは明らかですし、それが大胆な改革であればあるほど水面下の調整で済ませるなど絶対に無理



育てる必要性はないか

 国民が政治家を選ぶ。自民・公明はシニアのタメの現状維持に得意で、民進は期待されずに共産の倍未満(参院比例選の投票先、自民39%…読売世論調査)。働き手のタメの国政政党を、長い目(少なくとも五年)で育てる必要があるのではないだろうか。来る『参院選』と『衆院選』でそのチャンスはある。


アイドルを育てる様に政治家も皆で育てるコトが、働き手世代にはできる。

自身等の世代を大切にする政治家を選ぶ。

放棄すれば、働き手世代はより過酷になるだろう。

(了)


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