政府の掲げる「復興」とは何なのか、被災者の悲痛の叫び

【社会】 平成二十八年三月二日、国会内(東京・永田町)にて『子ども・被災者支援議員連盟』の総会が行われ、「原発事故被害者団体 連絡会(以下、「被団連」)」との政府交渉が為された。同総会には復興庁から牛島授公、柴沼雄一郎の参事官二名、その他環境省、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、参議院法制局、SAFLAN(弁護士)の質疑対応者が参加した。


二十三年三月十一日に発生した東京電力福島第一原発の事故による原子力被害は、福島を中心に日本全土に測り知れない被害をもたらし、今も原発反対運動が拡大し続けている。根底から破壊された人々の日常生活、命と心の健康、社会地域と文化、自然と生き物たちへの被害は、数十年、数百年にわたって続く。この災害を引き起こした原因は何か、その責任はどこにあるのか、これらの根本問題は、五年経過した今も解明されていない。



緊急要請書の提出

 しかし、加害者の立場とされる日本政府(各訴訟において被告)は、原子力発電に依拠する政策を再び推進し、再稼働と輸出を進める。二十九年三月末を目処に被災地の避難指示を解除し、東京電力は賠償を打ち切り、福島も避難者への住宅無償提供を打ち切るとしている。「これは被害者を見捨てる“棄民政策”である、謝れ、償え、保障せよ。」と被団連を代表とする全被害者は、この悲痛な叫びを胸に日本政府に対し緊急要請書を提出した。





<一方的な政府に被害者が声を上げる>

 集会では様々な意見が飛び交ったが、被災者が納得できる内容は少ない様だった。今も尚、支援を必要としている人口について復興庁は、「大体の把握はしているが、具体的に何を必要としているか、という点については現状分かっていない。」と話し、この回答について被団連は「答えになってない。」「何も把握できていないじゃないか。」と怒りの声が飛び交った。


住宅支援打ち切りに対し、ある女性は「福島から離れ、五年が経ち、ようやく慣れたと思ったら政府が勝手に打ち切り、これは犯人が勝手に命令しているのと同じ、一生償うべきだ。」と悲痛の思いを話し、会場から拍手が起こった。また、環境省は「除染はほぼ完了した。」と説明したが、実際は事故後からの計測であり、事故以前の環境には戻っておらず、更に事故以前のデータは保持してないとのこと。これに対し場内は呆れの声が多く響き渡った。



復興とは何か

 この集会で感じる事は「何を根拠に二十九年四月で打ち切りなのか、何を根拠として復興していると謂うのか」という事だ。何も解決しないまま五年の月日が流れる今、被災者に対しての復興はまだまだ終わらない。これからの政府の動きが、新たな「復興」への始まりになるコトを願いたい。


『子ども・被災者支援議員連盟』総会

撮影・記者:原田

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