【ビジネス ニュース】 平成二十八年四月十一日に経産省(大臣:林幹雄)は、調査報告書『企業のソーシャルメディア活用』を公開した。報告書は日経BP(代取:長田公平)、事例集は同省が纏めた。また報告会の様子もYTにて公開された。「通信利用動向調査(二十六年)/総務省」によると企業のSNS活用は二割弱に留まり、同省は中小企業を中心としたSNSのビジネスにおける活用を推進する。
同社は三スコア(「消費行動」「好感」「興味関心」)を用い、業界毎のSNSの影響度・特徴を洗い出した。
- 「消費行動スコア」;各企業・ブランドのアカウント登録者・閲覧者(=ソーシャル接触者)のうち、「購入や利用の候補に加えた」「購入・利用した」「繰り返し購入・利用するようになった」と回答した人の割合を算出し、偏差値化した指標
- 「好感スコア」;ソーシャル接触者のうち、好感を持ったと回答した人の割合を偏差値化した指標
- 「興味関心スコア」;ソーシャル接触者のうち、 リツイートやコメントなどをする、メルマガに登録する、キャンペーンに申し込むなど、購入には至らないが何らかのアクションを引き起こしたと回答した人の割合を偏差値化した指標
事業毎のフェーズ(販売・商品開発・海外展開)でもSNSは影響を与える。SNSの種類としては従来の主流をTwとし、FB・In・LIを挙げる。多様なSNSの選択基準は、「顧客のタイプ」「製品・サービスの特性」「訴求地域」となった。SNSの活用目的は売る為から、共感及び関係構築とニーズの抽出に変化しつつある。調査において、「販売促進」と「認知向上」がSNS活用として突出した。
最も注視されるSNSの効果は、「サイトの流入数」や「いいね!数」等の指標が各々で設定されている。報告書では効果を売上げに直結している企業は一部と認める。冒頭の「通信利用動向調査」では活用率が二割であったが、本調査(事業報告会のアンケート)では六割にまで跳ね上がっている。ただ、大企業においても八割に満ていない。また活用目的も本調査では「認知向上」を目的とする者が突出した。未活用の理由としての最多は「人材や知見がない」であった。
そして末尾では、「ノウハウの普及」「専門人材の育成推進」等の方策を打ち出した。
産業支援機関や商工会議所、金融機関等、地域で中小企業の支援を行っている機関に所属する人材がこうした分野についても理解を深め、企業に対して積極的にアドバイスできるようにしていくことが必要と考えられる
報告書(詳細)では、SNSに欠かせない用語の説明から入り、細やかな事例等が記載されている。取締役が必ず把握するべき内容だ。先に記した事例集は分かり易いレイアウトとなっている。
=解説=
SNSをビジネスに活用した方が良い事は分かっている。今回はB2Cの切り口で調査されている。ポイントはSNS文化が元来、若者文化である点だ。中年・シニアが若者文化を理解せよ、と言われているに等しい。故に人材には二十代前半を充てる必要がある。彼等が運用の仕方を分かっている。可能であれば、十代後半の意見・センス(完成)を採り入れる事だ。B2BのSNS運用はまだ始まったばかりである。
中年・シニアの考え(ビジネス)をSNSで運用するには、翻訳がいる。その翻訳家が社内の人間なのか、外部の専門企業なのか。ハイムもSNS運用で勝ち上がった。その経験を活かしコンサルティングも行っている。そういった企業に委託する事は、スピードを買うに他ならない。その効果は「認知向上」である。ビジネスは顧客に知られなければ始まらない。知られて、買うがある。「レモン市場/経済学」の様に、プロモーションが命である。現代はマスメディアよりもSNSが効果的である点を、下記の参考動画で述べている(開始位置を指定済み)。
参考:ソーシャルメディア活用先進事例報告会①(冒頭挨拶)【平成28年3月3日】(動画)
画像:報告書(概要版)より引用
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