ペットブームの裏側にあるペット業界の課題

【社会】 平成二十八年四月十三日、バラエティ番組「バイキング/フジテレビ系列」内にて、近年のペットブームにおける表と裏について特集された。今般、ペット業界は大変な賑わいになっており、洋服、ペットサロンのみならず、ホテル、エステ、レジャー施設といったあらゆる方面で業界規模が広がっている。来年グランドオープン予定である、千葉県に設立されたドッグリゾート「小谷流(こやる)の里 ドギーズアイランド」もすでに愛犬家において大変な人気を集めている。


しかし一方では、虐待を受けた犬や猫、悪徳ブリーダが金儲けのために劣悪な環境のパピーミルで虐待し続けた犬猫、身勝手な飼い主による飼育放棄、動物愛護センターに収容され殺処分の恐怖に怯える多くの犬猫たちがいる、という現状もある。二十五年度、日本における犬猫の殺処分数は十二万八千頭(環境省より)と言われており、状況は深刻化している。渋谷区にあるNPO法人「Tier Heim KOKUTA(画像引用)」ではそんなペット達を保護する活動を行っているが、毎日問い合わせの電話が後を絶たないという。



<ペットとの永続的な共存システムを>

 ペットを手放す人の割合で五十六㌫を占めるのが六十歳以上のシニアで、病気や死亡、老人ホームへの引越しなどが原因とされる。シニアにとってペットと共に過ごすことは、認知症の予防、健康面において良いとされているが、ペットの譲渡の条件として、年齢制限を設定する自治体もある(東京では二十歳から六十歳まで)。ペットと暮らしたくても暮らせないシニアもたくさんいるという。神奈川県横須賀市にある「特別養護老人ホーム さくらの里 山科」では、そんな状況を打破すべく、ペットとの入居を可とする取り組みを行っている。が、日本全体においては数は少ない。


同法人の代表を務めるヤマダナオミは、公式HPで次の様に挨拶し、の悲痛な現状を訴えた。


犬や猫をペットショップで買おうと、お考えのご家族がいらっしゃいましたら犬や猫は〝お金を出して買う〟のではなく、保護犬から迎え入れるという選択があることを知ってください。レスキューした尊い命に、新しい家族のご縁を繋ぐことができれば、また一匹、殺処分の恐怖から犬や猫たちを救うことができます。罪のない犬や猫たちの小さな命を奪うのは人間。命を弄ぶのも人間。そして「犬や猫の尊い命を救えるのも、私たち人間。です


まずペットの問題に対し、真剣に考え、行動すべきはペットを家族とする人からだろう。ペットを飼わない人には、ピンとこない問題でもあるので、家族による社会的な行動が求められている。具体的に行動を起こしている芸能人として、杉本彩が活動している事を記事「杉本彩のペット愛が総理大臣に認められ、公益財団法人に」で既に報じた。


記者:原田

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