国民への一律給付・営業補償ができない理由、国には振る袖が無い

【社会考察】 令和二年四月十一日に神奈川・黒岩祐治(甲午)知事は、武漢肺炎「緊急事態宣言」による休業要請に関して損失補償につき、「無い袖は振れず、補償は無理だ。」と述べた。協力金という形で損失補償を提示したのは、報道現在で東京(知事:小池百合子)のみ。

政府・与党も簡単には、補償に応じれない。


その理由は黒岩知事が言った「無い袖は振れず」だ。東京以外には振る袖が無い。営業自粛をお願いしても、袖が振れない。いざという時の納税ではないのか。

何故に振れないのか。


日本国民、特に働き手世代は知る必要があるだろう。

現状では今後も同じ様な戦後以来の危機が到来しても、補償できない。


答えは国家予算にある。上図は本年度の予算(一般会計)だ。総額で約百三兆円。収入である歳入の内で「税収」は六割。残りは国債等の「公債金」。一方の支出である歳出で一番に大きいのは「社会保障(年金・医療・介護)」の三割強。国債を返済する「国債費」は二割。残りは五割。


日本は毎年三割近くも借金をしながら、「社会保障」と「国債費」に五割を支出し、残った五割でやりくりをしている。「社会保障」は今後も更に増大し続ける。


次に収入の源である「税収」を視る。上図は、昭和六十二年から令和元年の約三十年間の推移。バブル崩壊時の平成二年が六十兆円。その後、平成三十年に六十兆円に戻り、令和元年では六十三兆円となった。詰まり、この三十年間、税収は下がって漸く平成二年の水準に戻った。


では、その間の「社会保障」は如何様に推移しているのか。上図は国全体の支出項目を百分率(パーセンテージ)した推移。平成二年(一九九〇)の「社会保障」は二割弱なのに、三十年には三割強まで上がっている。昭和三十五年まで遡ると「社会保障」は一割であった。現在の六十歳が生まれた頃である。


何よりも、税収(収入)がまるで増えてないのに、「社会保障(支出)」を何十兆円も増やすのは、明らかに異常だ。家庭の所得が増えないのに、食費を二倍、三倍にする程に異常だ。


今の六十代の若い頃と比べて、今の若手(四十代まで)は実質三倍以上も負担をしている事になる。以前は上図の通り、「社会保障」「国債費」の割合い分を「公共事業」「教育」という形で国が国民へ投資を行っていた。よって成長できた。若手を含む働き手に割り振る金がたくさんあった(棒グラフ参照)。


成長できない項目に支出を割り振り過ぎである。

明らかに若手及び未来世代からシニアは、搾取をし続けている。

これで若手が希望を見い出せる訳がない。



現在はシニアの為の「社会保障」と借金返済の「国債費」に毎年五割も支出している。




子どもからも消費税という税を徴収し、「社会保障(シニア)」を賄おうとしている。消費税の減税は即「社会保障(シニア向け)」削減である。ここを戦える政治家や国民がいない。



如何だったであろうか。この国には、支出が多過ぎて振る袖が無いのだ。シニア達に十兆円ではなく、二十兆、三十兆円も払い続け、今後も払い続ける。同時に借金も増え続ける。よって、いつまで経っても今回の様な緊急時に営業の損失補償、国民への所得補償ができる訳が無い。


シニアに使い過ぎて、貯金が無いのだ。


0コメント

  • 1000 / 1000