蓮舫参議「国債という国民の借金」に島澤諭がマクロ・ミクロ視点のコメント

【経済報道】 令和二年四月十八日にデイリースポーツ/神戸新聞社は、Yahoo!JAPANニュースに記事『蓮舫氏「国債という国民の借金」コメントに突っ込み ネットから「完全に勘違い」』を配信。中部圏社会経済研究所(代表理事:丹羽漸)の島澤諭(庚戌)研究部長が当該記事に対し、マクロとミクロで見方が異なる点をコメントした。


当該記事では立憲・蓮舫(丁未)参議が、麻生太郎(庚辰)財務相が「手を挙げた方に一人十万円給付」との発言に「麻生大臣、このお金は貴方のものではありません。国債という国民の借金です。物言いに気をつけてください」とTwで注意(下線ハイム)。下線部につき、Twユーザから反論が飛び交っていた。


これを受けて島澤部長(写真最上)は以下の様にコメントした。

国債は、民間からの政府の借り入れですから、経済成長でも、インフレでも、税金でも、将来的には、返済する必要があります。

この返済がわたしたちの負担になるか否かについては、経済学においても見解が分かれるところです。

例えば、オールドケインジアン(新正統派)によれば、内国債であれば国民の負担とはならないとされています。日本の場合、9割以上が内国債です。しかし、ここでのポイントは、マクロで見ている点です。

政府の借金は確かに国債を持つ者の資産かもしれませんが、国債を持たない者の資産ではありません。国債は預金を介しても全ての国民が持つ訳ではないのです。

だとすれば、インフレや税金で国債の返済をする場合には、国債を持たない者(多くは低所得者)から国債を持つ者(多くは高所得者)にお金が流れることになります。

国債は国民の借金ではないとの学説もありますが、ミクロ的には問題を惹起する点に留意しましょう


学説は固定されているものと分かれているものがある。特に経済学・財政学では顕著だ。賢き国民は主流派と傍流派の学説を理解し、時として主流・傍流が逆転する事を念頭に置いた方が良いだろう。


国債の残高は令和元年度末ので九百兆円、地方債の残高は二百兆円の計一千百兆円原資は基本的に民間の預金である。


日銀「資金循環統計(速報)令和元年第四・四半期)」によれば、家計の現預金は一千八兆円で、民間非金融法人企業の現預金が二百六十七兆円。計一千二百七十五兆円。証券等を含めると家計は一九百三兆円で、企業が一二百四十兆円。両者の合計は三千百四十三兆円であった。


記事:羽田野正法

写真:@mzako2017

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