カルバン・クラインの新広告、ローアングルショットに物議

【高級ファッション・社会ニュース】 平成二十八年五月十三日にAFPBB Newsは記事『カルバン・クライン、「パンチラ」写真広告で非難の嵐』を配信し、世界的ファッション ブランド『カルバン・クライン(以下、「CK」)』の新広告がセクハラ行為を表現したものとして、米・全国性的搾取センタ(CEO;パトリック・A・トルーマン)が請願運動を開始した事を報じた。


CKは元来、ボディラインを強調したカッティングが特徴的な米国ブランドでプレタポルテ。五大コレクションの内、NYコレクションの常連でもある。今回の新広告は、女性の同意なくスカートの下から写真を撮るセクハラ行為「アップ・スカーティング」にあたると同センタは指摘(写真下)。CKは公式Twで画像を九日に掲載。報道現在で削除していない。十二日には、スカートではないものの、Vゾーンに対し角度の厳しいショットも公開している(写真上)。


モデルはデンマーク出身の女優、クララ・クリスティン(壬申)。鬼才ギャスパー・ノエ 監督の官能映画「Love  3D(二〇一五)/ クロックワークス』でオミ役を務め、カンヌ国際映画祭等で注目された。




=解説=

 高級ファッションは芸術である。五大コレクションの常連ブランドとなれば、その芸術性は確かなものであるだろう。芸術性が高過ぎて多くの人に理解されない事は、ファッション界に限らず数多ある。今回の物議は、昨今の「芸術性・文学性対人権・常識」の構図に他ならない。米国でニュースとして取り上げられたにもかかわらず、CKは画像を削除していない。これは商用的にと云うよりは、芸術的対抗ともとれる。米国はハラスメントに対し、厳しい国で且つ、世界的に影響を及ぼすので、結末に注目される。


映画界は記事内で紹介した映画「LOVE 3D」の様に、官能表現が文学的に白人社会では許容されている。日本映画はテレビも含め芸術性・文学性が高くとも、基本的に性描写は不自然な程にNGだ。然しDVDや成人向けの動画・雑誌に対しては、表現の自由の下で実質的に誰でも閲覧が可能な現況だ。芸術性・文学性に劣る作品が国内で蔓延している。


性的描写に世界基準は存在せず、各国の国民の基準によって線引きがされてきた。二十一世紀は、仮想世界の拡がりでアクセス自由のフラットになっている。各々の大サイトが独自にポルノ指定基準を設けている。故に、いずれは統一的な基準が指し示される事になるだろう。CKは対抗できるか、それとも屈するか。性的描写の歴史的特異点になりかねない事件だ。


画像: Calvin Klein公式Twitterより引用

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