九月入学問題で賛成派は何故に急かすのか、メリット一つ提示しない怪しさ

【教育考察】 緊急事態宣言下の休校要請により、学校運営に支障を来している。現行の四月入学から九月入学へ移行する問題が沸き起こっている。自民・ワーキングGは本年度や来年度等での九月入学導入の見送りを求める構え。


令和二年五月二十六日に萩生田光一(癸卯)文科相は、秋季新学期制・九月入学について宣言解除後の記者会見で「飽くまで、臨時休業が更に長期化する事態を想定した際の対応案の選択肢の一つ。」と説明。「文科省として早期の収束に向けて感染拡大の防止を徹底した上で、これまでも行ってきている子どもの学習の保障の為の取組みを一層進めていく事が重要であると考えております。」と述べた。九月入学は「直ちに結論付ける、という事ではなくて。」と慎重な姿勢を示した。


第二波を想定し、ICT等の準備を行った上で「本当に学びの保障ができない、という事になれば、大きな大胆な決断も選択肢に入れておかなければいけない。」と、一概に入学期の移行を排除しない点を伝えた。現状は学校の巻き返しの努力を前提とする。



 同日に公明・山口那津男(壬辰)代表は、記者会見で「四月入学で循環するサイクルが回っておりますので、これを九月入学に変えるとすると、これは学校現場のみならず、様々な影響が予想されます。この問題は今回のコロナウィルス感染で学ぶ機会が削られた、という対応とは別にもっと幅広い観点から充分な議論、時間を掛けた充分な議論が必要ではないかと思います。その点で切り離した検討を求めたいと思います。」と述べた。


二十五日に安倍晋三(甲午)首相は緊急事態の解除の記者会見で「(九月入学の移行について)私はこの選択肢の一つであると考えています。学校の再開の状況や子ども達や保護者は素より社会全体への影響を見極めつつ、慎重に検討していきたいと思います。拙速は避けなければならないという風に考えています。」と示した。

※上図;「9月入学」について、どう思う?(五月二十七日時点)/Yahoo!JAPANニュース



<冷静な政府とやたら急かす左派・賛成派>

 四月二十九日には衆院(議長:大島理森)・予算委にて国民民主党の玉木雄一郎(己酉)代表が、首相と文科相に九月の新学期移行とオンライン授業における「対面指導の原則」につき、質問を行った。首相は「大きな変化がある中においては、前広(前々)に様々な選択肢を検討していきたい。」と答えた。文科相は「文科省だけで完結する問題ではありませんし、社会全体に影響を及ぼすものでありますが、仮に、広く国民の間で認識を共有できるのであれば、私としては大きな選択肢の一つと思っております。」と答えていた。


この前日の二十八日には全国知事会が開催され、九月入学について議題に上がった。小池百合子(壬辰)都知事は「私は長年、九月論者の一人でも御座います。これ(教育システム)を変えていく切っ掛けにしていく、というのは全国知事会として大きなテーマに成り得るという風に思っております。」と話した。移行が「来年にしますでは、もうモメンタム(運動量や勢い)は失くします。」と急かしていた。全国知事会は政府へ学校運営に関し、方針を示す事を求めていた。


村井嘉浩(庚子)宮城県知事は「一番、重要なのは子ども達にしっかり教育をする。」と強調していた。だが九月入学の賛成派の意見から、今、移行すべき真っ当なメリットは何もなかった。対して反対派の知事達は至極、真っ当なデメリットを指し示していた。重要なのは入学時期ではない。


五月十四日にYTにて元・総務省の国家公務員・デロイト トーマツ コンサルティング・衆議 政策担当秘書と多彩な経歴を有す政策コンサルタントの室伏謙一(壬子)は、「九月入学を小中高に導入してもメリットはゼロ。」と訴えた。メディアでは九月入学は格好良い程度の認識の賛成論が幅を利かせている等と具体的なデメリットを例示。百合子都知事等が主張する九月入学の「グローバル基準」に関して、室伏は全面否定。九月入学はG7では英・独・仏・伊・加。中国も九月。米国は七月だ。


日本は第三位の経済大国なので、参考にすべきは第一位・米国と第二位・中国だ。何故に敢えて米国ではなく、中国に日本が合わせるのか。摩訶不思議である。


そして何故に、社会に大きな影響を与えると賛成派も主張するのに、議論もじっくりせずに急いで移行させようとするのか。大事な子ども達の大問題である。賛成派は甚だ怪しいものだ。裏に中国等から何か口利きがある、と疑われても致し方がない。


若手世代としては、メリットがデメリットを超えない以上、反対である。そもそも賛成派は、メリットを本当に何も提示していない、信じられない幼稚さだ。「ただ、今だ。急げ。」と急かす。何故だ。全くもって子育て世代である若手世代を馬鹿にしている主張だ。せめてメリットぐらい、賛成派は主張されたい。


政府は至って真っ当な考えである。万一の為に選択肢を有すが、先ずは保障の努力をする。

何よりも賛成派は母親達の意見ぐらい聞きなさい。令和の時代ではデータで示しなさい。相変わらず、勝手に決めてくれるな。これでは民主主義ではなく、独裁ではないか。


記事:金剛正臣

画像:文部科学省/YouTube、三橋貴明/YouTube

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