銀行・証券・保険の仲介をワンストップに、「金融商品販売法」から『金融サービス提供法』へ

【ビジネス報道】 令和二年六月五日に改正『金融商品販売法(閣法四十号、※1)』が参院本会議で可決、成立した。法律名は『金融サービス提供法(※2)』に改める。他にも『資金決済法』等も改正した。

※1正式法律名:金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律

※2:金融サービスの提供に関する法律


銀行・証券・保険の金融サービスを仲介できる。新たにフィンテック企業の参入を見込む。多種多様な金融サービスのワンストップ提供を実現する。既存の銀行・証券・保険会社にとっては中長期的に脅威となり得る。新規参入にとっては機会。


金融サービス提供法を軸とする複数の法律は「金融サービス仲介法制」と「決済法制」の二つに大別される。


 前者では新たに「金融サービス仲介業」を創設。これからは一つの登録を受けるれば、銀行・証券・保険の全分野のサービス仲介を行う事ができる。更に、一定の要件を満たせば「電子決済等 代行業」の登録手続も省略可とする。


特定の金融機関への所属は求めず、利用者財産の受入れは禁止とし、仲介は高度な説明が不要な金融サービスに限定、利用者に対する損害賠償資力の確保の為に「保証金の供託」等を義務付ける。また、利用者情報の取扱いに関する措置や利用者への説明義務、禁止行為等は、仲介する金融サービスの特性に応じて過不足なく規定。この他、「監督規定」や「認定金融サービス仲介業協会」及び「裁判外 紛争解決制度」に関する規定を整備した。



後者では資金移動業の規制を見直す。

  1. 高額送金を取扱可能な類型を創設;海外送金のニーズ等を踏まえ、百万円超の高額送金を取扱可能な新しい類型(認可制)を創設、事業者破綻時に利用者に与え得る影響を踏まえて利用者資金の受入れを最小限度とする為に具体的な送金指図を伴わない資金の受入れを禁止(事業者は、送金先や送金日時が決まっている資金のみ、利用者から受入れ可)
  2. 少額送金を取り扱う類型の規制を合理化;送金コストの更なる削減の観点から、利用者の資金について供託等に代えて、分別した預金で管理する事を認める(外部監査を義務付け)
  3. 現行の枠組みは維持(上記とあわせて、資金移動業は三類型に)


また利用者保護の為の措置として、いわゆる収納代行の内、「割り勘アプリ」の様に実質的な個人間送金を資金移動業の規制対象とする。


施行は公布の日から一年半以内。


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